3月の主宰出句「春の海」
波音が泡を残して春の海
潮風に別れの船出春の海
春の浜海草絡む忘れ舟
引き潮にゆるく弧を描く春渚
船出だと海鳥の鳴く海の春
3月の主宰出句「春の海」
波音が泡を残して春の海
潮風に別れの船出春の海
春の浜海草絡む忘れ舟
引き潮にゆるく弧を描く春渚
船出だと海鳥の鳴く海の春

5月の兼題「白シャツ」
涼し気な生地や色合いの白いシャツ。開襟シャツのように胸を開ける工夫がなされているものを言います。
最近ではTシャツでも色が白いものは白シャツともいうので、白シャツであれば特に昔の下着のシャツでは無くTシャツの中でも白く爽やかなシャツとしていいでしょう。
傍題に「夏シャツ」「開襟シャツ」「アロハシャツ」など。
2月の上野貴子(主宰)出句「淡雪」5句
淡雪を息で吹き消すウオーキング
戸惑いを淡雪として空晴れる
コンクリートの町を閉じ込め牡丹雪
朝晴れて淡雪闇に飛ばされて
濃茶入れとうに忘れた名残り雪

4月の兼題「山桜」
山に自生して咲く桜。関東以南の山地に自生する。吉野山の桜はこの種で有名でここから移植したといわれる嵐山の桜も山桜が多い。また、広く植えられていてる落葉高木の花で、春に赤みを帯びた葉と同時に白い花をつける。古来詩歌に詠まれてきたのはこの山桜が多い。

No1ブロック
No4 伊豆の坂 かへり見すれば 春の海
伊豆は山あり海ありで美しいです。春は今頃は桜も美しいですね。河津桜や吊り雛を思い出します。
No2ブロック
No4 春濤や指さし数える伊豆七島
伊豆の海は島が見えて美しいですよね。春の白波に浮かぶ新島あたりが近くに見えたり大島が見えたりと風光明媚な旅の様子が目に浮かびます。吊り橋あたりでしょうか?
No3ブロック
No3 恋というほどもなかりし春の雪
淡い思い出に恋心を抱いたのかはたまた行きずりの一瞬の思い出なのか素敵な秀句ですね。
No4ブロック
No2 淡雪と空の青さの大画面
大画面というところが現代のテレビっ子を思わせる楽しい句ですね。儚く舞い落ちる淡雪に空はあまりにも青く広く見えると詠んでいます。大きな晴れた空にどこかからか降り雪が吸い込まれてゆくような感じですね。
No5ブロック
No3 淡雪や時計の寿命尽きし日に
時計が止まる日が何かを示しているのでしょうか。深い意味合いが有るのかは、解りませんが、昔の古時計なのか、急に壊れて寿命がきてしまったのか、ドラマを感じますね。
今年は春の訪れが早いようで、早春の風景というよりも春の風景を詠まれていました。淡雪の儚さが別れと出会いのこの時期にはとてもよく合い、素敵な句が多いかと思いましたが、それは勿論ですが、季節の移り変わりの速さを感じました。
波音が泡を残して春の海
波一つ立たぬ浄土や春の海
春の海眺める親子のシルエット
伊豆の坂かへり見すれば春の海
潮風に別れの船出春の海
春の川辿りてやがて春の海
春の海風に合わせて波の音
春濤や指さし数える伊豆七島
春の浜海草絡む忘れ舟
二胡の音のせて浜風春の海
春の海船上の影きらきらり
旅に出てバス来ぬ停車場長閑なり
引き潮にゆるく弧を描く春渚
夕刻をざばと畝るや春の海
春の海浮かんで見える金の鳥
寒桜独り占めする野天風呂
船出だと海鳥の鳴く海の春
我たちは陸の生きもの春の海
春の海S字模様の絶え間なく
春の川滔々と鳥の影映す
2点句
淡雪を息で吹き消すウオーキング
春濤や 指さし数える 伊豆七島
淡雪と空の青さの大画面
淡雪や時計の寿命尽きし日に
1点句
伊豆の坂 かへり見すれば 春の海
日輪に淡雪透かし空見上ぐ
コンクリートの町を閉じ込め牡丹雪
窓の外松葉に淡雪綿毛なり
恋というほどもなかりし春の雪
朝晴れて淡雪闇に飛ばされて
芽の息吹残り淡雪見え隠れ
オンライン句会LP画面はこちらから https://onlinekukai.jimdofree.com/?preview_sid=573194

3月の兼題「春の海」
冬の間、波の荒かった海も、春になると穏やかな波が寄せては返すようになる。
長閑な海を想像するが、近代俳句では想像外の激しさを詠うこともある。ことに東日本大震災以降は俳句としても、穏やかで長閑な海ばかりではないようです。
傍題「春の浜」「春の渚」「春の磯」「春の岬」
1月の上野貴子(主宰)出句「初景色」5句
初景色天まで届け社頭鈴
商店街出店が並ぶ初景色
神社より空が開けて初景色
しゃんしゃんと下駄の子走る初景色
綿あめがお目当ての列初景色
No1ブロック
3の句 耳すまし山寺の鐘初景色
除夜の鐘でしょうか。荘厳なお正月らしいところがいい句だと感じます。東京でも場所によっては鐘の音が聞こえるのかも知れませんね。地方の方のような気がしますがどうなのでしょうか。
No2ブロック
1の句 中吉に息災願う初神籤
おみくじに願をかける思いが伝わります。中吉でも吉ですから、悪くはない一年になるに違いないです。そんなお正月の楽しさを感じます。
No3ブロック
2の句 初景色カーテン越しに猫見つけ
冬は猫が炬燵で丸くなっているような部屋の片隅のいいお天気の窓辺のほのぼのとした景色が目に浮かびます。可愛らしいですね。窓の外か内か覗いているのでしょうか、楽しい句です。
No4ブロック
3の句 初景色壁に掛けたる富士の山
一月は富士山の写真が似合いますね。壁に大きな白い雪をかぶった初富士の写真が飾られてコロナ禍でもやっぱり富士山は日本一の山、拝みたくなります。
No5ブロック
3の句 初景色帰省の子らの話し声
子供たちが田舎へ帰る賑やかな駅や町の光景ですね。自然の景色のなかに賑やかな家族連れが戻って来る嬉しいお目出度い句ですね。
今回は、お正月ということでお目出度い句が多く楽しい雰囲気が伝わります。いつもはなんでもない光景がお正月になると賑やかに華やぐ様子がよく解りました。今年も一年間いい年でありますように神様に拝みたくなるようなお正月らしい句が多く、嬉しい気分になります。
(2月7日)
一年の感謝とともに初詣
光り居る庭が草々初景色
耳すまし山寺の鐘初景色
初景色天まで届け社頭鈴
中吉に息災願う初神籤
未来より望む田畑初景色
初景色変わらぬ空に手を合わす
商店街出店が並ぶ初景色
雲ひとつなき正月の墓参り
初景色カーテン越しに猫見つけ
戸を開けて頬の冷たさ初景色
神社より空が開けて初景色
花びら餅ひとつで祝う母卒寿
水鳥の湖に羽ばたく初景色
初景色壁に掛けたる富士の山
しゃんしゃんと下駄の子走る初景色
お年玉あげて喜ぶ歳になり
富士火口宇宙から見る初景色
初景色帰省の子らの話し声
綿あめがお目当ての列初景色
3点句
着ぶくれて北ウィングの朝7時
義士の日のポストに喪中葉書あり
2点句
初霰ハンドル握る指に落ち
着ぶくれの所狭しと中華屋に
着ぶくれのチワワ主人の腕の中
義士の日の体育倉庫に太鼓一つ
着ぶくれて 満員電車が さらに密
1点句
着膨れて都下喧騒の街を行く
着ぶくれの寝屋朝刊の音届く
義士の日に ケンカの仲裁 町内会
着ぶくれて身うごき鈍し試着室
隠すこと何もなき町霙降る
初霙ポップソングの湿りたる
児のひとりまぶたに落ちる玉霰
グラウンドの 部員着ぶくれ 朝練習
霰降る色無き町の交差点
オンライン句会LP画面はこちらから https://onlinekukai.jimdofree.com/?preview_sid=573194
12月の上野貴子(主宰)出句「霰」5句
初霰ハンドル握る指に落ち
黄昏る門に一粒玉霰
結晶の花に涙の初霰
児のひとりまぶたに落ちる玉霰
霰降る色無き町の交差点
3点句
着ぶくれて北ウィングの朝7時
季語は「着ぶくれ」冬。
義士の日のポストに喪中葉書あり
季語は「義士の日」冬。
12月14日の赤穂浪士の討入りの日を「義士の日」として季語とされています。難しいお題ですが、日本人の心に残る切ない仇討ちの逸話として歌舞伎の出し物にもなっていますね。武士道なんて古い精神論ですが、忠義心という誠の心を忘れずに現代にも通じる俳句を詠んでゆきたいです。時代の流れと人の世の刹那を感じる句に点が入りました。そしてまた、一年間の疲れを癒すかのように旅に立つ俳句にも点が入りましたね。ロマンチックで素敵な空の旅を思わせる素敵な句です。