11月の最高得点句

11月の最高得点句

2点句

草餅の黄粉気遣うお茶タイム

季語は「餅」冬。

髪切って母を訪ねる小春空

季語は「小春」冬。

お題は「餅」だったのですが冬のうららかな小春日の句に点が入りました。「草餅」にも点が入りましたが実は「草餅」は春の季語です。11月頃には冬なのに春のような暖かなお天気の日が多いので、今回はこの2句が高得点でした。点がばらけて難しいお題でしたね。今の時代には、お正月が待ち遠しくなるお題です。

 

1月の兼題「初景色」

1月の兼題「初景色」

元日に眺める晴れ晴れとした景色のことをいいます。

また、風光明媚なすぐれた景色ばかりでなく、ありふれた田舎の田んぼ道や見慣れた街並みもお正月になると目出度く感じられることをいいます。

傍題には、「初山河」

 

歳時記「お節」

お節料理まずは三つ肴(みつざかな)

【数の子】子宝に恵まれ、子孫繁栄。ニシンの子なので「二親健在」にも通じる。[新年]

数の子を祝の肴歳を増す・・・・・上野貴子

【田作り】イワシが畑の肥料だったことから「田作り」「五万米」(ごまめ)と呼ばれ、豊作祈願の料理。また、小さくても尾頭付き。[新年]

田作りの頭小さく愛らしく・・・・・上野貴子

【黒豆】まめに(勤勉に)働き、まめに(丈夫で元気に)暮らせるように。

一つ一つ黒豆の粒を取る・・・・・上野貴子

【たたきごぼう】ごぼうのように根を深く張り代々続く。たたいて身を開き開運を願う。(関西では黒豆ではなくこちらが多い)

地に深く辛抱強したたき牛蒡・・・・・上野貴子

三つ肴の他、お正月ならではのおめでたい料理が入ります。

【紅白かまぼこ】半円形は日の出(年神様)を表す。おめでたい紅白で、紅は魔除けの意味があり、白は清浄を表す。

紅白の蒲鉾に日の出を拝む・・・・・上野貴子

【伊達巻】昔の伊達者(シャレ者)たちの着物に似ていたので伊達巻と呼ばれるようになったといわれる。「伊達」とは華やかという意味がある。巻き物が書物や掛軸に通じることから知識や文化の発達を願う。

掛け軸を見立て伊達巻卵焼く・・・・・上野貴子

【昆布巻】「喜ぶ」にかけて

喜びの笑顔が笑顔呼ぶ昆布巻・・・・・上野貴子

【栗きんとん】栗は「勝ち栗」と呼ばれる縁起もの。「金団」と書き、黄金色で縁起がよく蓄財につながる

甘くとも財よ貯まれと栗金団・・・・・上野貴子

【ちょろぎ】「長老喜」「千世呂木」と書き、長寿を願う[新年]

長老喜添えいつの間にやら五十路なる・・・・・上野貴子

【錦玉子】黄身と白身の2色が金と銀にたとえられる。2色を錦と語呂合わせしているとも。

金と銀仲良く錦卵なす・・・・・上野貴子

三つ肴イメージ

おせち料理イメージ

弐の重

【焼き物】縁起のいい海の幸が中心です。

焼き物を目出度く伊万里の皿に盛る・・・・・上野貴子

【ぶり】ぶりは大きさによって名前が変わる出世魚。ぶりで立身出世を願う。

照り焼の鰤の大小出世魚・・・・・上野貴子

【鯛】「めでたい」にかけて。姿もよく味もよい鯛は、江戸時代から「人は武士、柱は檜(ひ)の木、魚は鯛」といわれ、めでたい魚として祝膳には欠かせないもの。

目出度さに微かな不安鯛に消し・・・・・上野貴子

【海老】腰が曲がるまで長生きできるように。

髭長く縁起を担ぎ海老雑煮・・・・・上野貴子

海産物のイメージ

参の重

【煮物】山の幸を中心に、家族が仲良く結ばれるよう煮しめます。

煮しめさえあればお節のありがたき・・・・・上野貴子

【れんこん】穴があいていることから、将来の見通しがきくように

蓮根の苦み煮て取り先が見え・・・・・上野貴子

【里芋・八つ頭】頭となって出世をするように、子芋がたくさんつくので子孫繁栄

里芋を入れて雑煮の汁旨し・・・・・上野貴子

【くわい】大きな芽が出て「めでたい」、子球がたくさんつくので子孫繁栄

目出度いとくわいの煮方教えられ・・・・・上野貴子

【ごぼう】根を深く張り代々続く

泥払い桶には長き牛蒡の根

煮物イメージ

与の重

【酢の物・和えもの】忌み数字の「四」は使わず、「与の重」とします。日持ちのする酢の物などを詰めます。 三段重の場合は、酢の物も焼き物などと一緒に、彩りよく詰めるとよいでしょう。

【紅白なます】紅白でめでたく、祝いの水引にも通じる。根菜のように根を張るように

人参と大根で紅白膾・・・・・上野貴子

【菊花かぶ】菊は邪気を祓いと不老長寿の象徴。

唐辛子赤く蕊なし菊花かぶ・・・・・上野貴子

【小肌粟漬け】小肌はコノシロという魚の成魚になる前の名前。出世魚で縁起がよい。クチナシで黄色く染めた粟で、五穀豊穣を願う。

粟で絞め小肌肴に祝酒・・・・・上野貴子

五の重【控えの重】

年神様から授かった福を詰める場所として空っぽにしておくか、家族の好物や予備の料理などを入れます。

今のように冷蔵庫がなかった時代、本来のおせち料理は、保存がきくお料理がほとんどです。日持ちがするという理由以外にも、年神様に静かに過ごしていただくため、台所で騒がしくしないという心配りも含まれていました。また、かまどの神様に休んでいただくためや、神聖な火を使うのを慎むためともいわれています。そして、年末年始、多忙な女性が少しでも休めるようにという配慮もあったかも知れません。
現代のおせちは、家族の好みのものを中心に、洋風や中華風の料理が入ったり、サラダのような生野菜が加わったりと、とても多彩になりましたが、先人のこうした知恵と心を大切にしながら、素敵な正月を迎えたいものです。
おせち料理をいただくとき、ぜひ使っていただきたいのが「祝い箸」です。

 

1月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

4の句 着ぶくれて北ウィングの朝7時

旅行の句ですね。今年は規制のない久しぶりの冬で、海外に行かれたのでしょうか?素敵な句ですね。

No2ブロック

5の句  隠すこと何もなき町霙降る

雪が混じったような雨の事を霙(みぞれ)と言いますが、シャーペットのような透明感が雪の白さよりもさらに隠し事の無いという感覚でとらえていて面白いですね。

No3ブロック

1の句 着ぶくれの所狭しと中華屋に

狭いラーメン屋さんでしょうか。カウンター席しかない店にならんで待って着ぶくれたまま急いで啜る混むように食べる音が聞こえるようで楽しい句です。

No4ブロック

1の句 義士の日の体育倉庫に太鼓一つ

太鼓が古風な仇討ちを思わせます。倉庫にしまい込まれた古い太鼓でしょう。何だか時代が移り行く切なさを感じます。

No5ブロック

4の句 義士の日のポストに喪中葉書あり

「義士の日」という赤穂浪士の仇討ちを意味する季語にちょうど来た喪中の葉書の名前を見て驚く作者の姿が浮かぶ時代の流れを感じる素晴らしい句です。

<総評>

今回の句会はお題「霰」以外に月末定例句会メンバーの参加が加わり、季語の勉強になる句が多かったです。東京では、なかなか霰に出くわさないのでちょうどよかったです。12月は「義士の日」があることふと思い出すと人の世の刹那を感じます。現代ではコロナ禍の厳しさが重なりますが、忠義心を敬う気持ちを改めて考えさせられますね。 (1月5日)

12月の投句一覧

着膨れて都下喧騒の街を行く
おやつには 切腹最中 義士の日や
義士の日や俳句嗜(たしなむ)赤穂の士
着ぶくれて北ウィングの朝7時
垂れ目の子そっと霰に指触るる
初霰ハンドル握る指に落ち
着ぶくれの寝屋朝刊の音届く
義士の日に ケンカの仲裁 町内会
着ぶくれて身うごき鈍し試着室
帰国便着ぶくれのまま鼾(いびき)かき
隠すこと何もなき町霙降る
黄昏る門に一粒玉霰
着ぶくれの所狭しと中華屋に
義士の日は 仲直りして 鍋囲む
稜線や夕陽に染まる山眠る
着ぶくれのチワワ主人の腕の中
初霙ポップソングの湿りたる
結晶の花に涙の初霰
義士の日の体育倉庫に太鼓一つ
着ぶくれて 満員電車が さらに密
雲追いて芝に寝そべり冬の空
義士の日に百均で買う重曹粉
粗茶を汲み霙さなかをほっとする
児のひとりまぶたに落ちる玉霰
義士の日を生きる歴史の末端に
グラウンドの 部員着ぶくれ 朝練習
カサッカサッ落ち葉踏む音並木道
義士の日のポストに喪中葉書あり
みぞれの夜あすが来ること知つており
霰降る色無き町の交差点

(12月末〆切り分)
 
11月の点盛りの結果 


2点句

草餅の黄粉気遣うお茶タイム
髪切って母を訪ねる小春空

1点句

店先に餅が出始め齢数え
天高し朝のテラスで深呼吸
面焦げ絵に描くような餅出来ぬ
餅肌のマスクのうざくコロナ時代
駅前のマルシェも仕舞い月の舟
蓬餅ずんぐり聳え皿に座す
お煎餅後ひく老舗の秘伝技
夜歩く片割れ月は雲隠れ
癒しこそ餅の持ち味きなこ餅
餅焼けば焦げも香ばし網模様
鏡餅かち割る幸を分け合って

次回の投句&選句ご案内リンクなど

オンライン句会LP画面はこちらから https://onlinekukai.jimdofree.com/?preview_sid=573194  

 

歳時記「大晦日」

大晦日

十二月の末日。月の末日の意味で、一年の終わりであるため、大の字を添えて大晦日、大つごもりという。この日に晦日蕎麦を食べる風習があり年越し蕎麦といいます。

新暦でも旧暦でもいずれにも用いられ、晦日もつごもりも月の末日の意味。月隠(つきごもり)の変化したものといわれる。

傍題には「大三十日」「大年」「大つごもり」など。

 

12月の兼題「霰」

12月の兼題「霰・あられ」

雪の結晶に水滴が付いて凍り、白い不透明の氷の塊になって地上に降るもの。玉霰は霰の美称。

直径5ミリメートル未満のものを霰というが、古くは雹(ひょう)をも含めていう。

また、ほしいいなどの細かく切った餅を乾燥したもので茶漬けや香煎に使うもので、ぶぶあられと言われるものや霰餅などのおかきもある。

他には、霰絣などという織物または染物の文様の名でもある。

傍題には、「玉霰」「夕霰」「初霰」など俳句では自然現象のことをいう。

 

10月の最高得点句

10月オンライン句会での最高得点句

3点句

役目終え文字の消えかけ捨案山子 3点

季語「捨案山子」季節は秋

案山子は都会では珍しくなりましたがどこか懐かしくてコミカルな楽しいお題です。稲の穂がたわわに実る田園風景が目に浮かびます。そんなお題が稲刈りの後どうなるのかと作者がその行方を追って案山子の捨てられている所を見つけたのでしょう。お役目を見事に終えた案山子の顔のへのへのもへじが薄れている姿が哀愁を誘う優しい句です。

 

12月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

2の句 天高し朝のテラスで深呼吸

秋の句ですね。11月の投句なのでまだ秋の季語「天高し」を使われていますが、今年は11月になって晴れた日が多かったのでよいと感じます。小春日和というよりも爽やかな秋の空に近い空の高さが解ります。

No2ブロック

2の句  駅前のマルシェも仕舞い月の舟

マルシェが夕方締まる時間帯が日に日に遅くなる秋から冬の変化を上手く詠まれています。「月の舟」のフレーズがロマンティックですね。

No3ブロック

3の句 蓬餅ずんぐり聳え皿に座す

とがった草餅団子か?何か長細いのか?面白い俳諧味のある秀です。

No4ブロック

2の句 夜歩く片割れ月は雲隠れ

十三夜の句なのかも知れませんね。2回お月見をするとよいといいますが、今年は9月と十月で早かったので、やはり半月の句でしょう。夜のお散歩なのかも知れません。

No5ブロック

3の句 鏡餅かち割る幸を分け合って

幸を分け合いお汁粉を作るのでしょう。お正月行事の鏡割りを思い出します。お汁粉が美味しい季節ですね。

<総評>

今回のお題「餅」だったので、楽しい句が多かったです。お餅はお正月に食べるくらいになりましたが、昔からお目出度い時には必ず付き物でした。小豆や黄粉とお菓子として食べたりしますから、やはり楽しい句になりますね。お雑煮が今から待ち遠しいです。

(12月8日)

11月の投句一覧

店先に餅が出始め齢数え
天高し朝のテラスで深呼吸
面焦げ絵に描くような餅出来ぬ
餅肌のマスクのうざくコロナ時代
駅前のマルシェも仕舞い月の舟
餅を切る幸せ伸ばす幸せよ
草餅の黄粉気遣うお茶タイム
隣家の子今宵も泣きて月の舟
蓬餅ずんぐり聳え皿に座す
お煎餅後ひく老舗の秘伝技
夜歩く片割れ月は雲隠れ
癒しこそ餅の持ち味きなこ餅
餅焼けば焦げも香ばし網模様
髪切って母を訪ねる小春空
鏡餅かち割る幸を分け合って

(11月〆切り分)
 
10月の点盛りの結果 


3点句
役目終え文字の消えかけ捨案山子

2点句
美しき菊わが庭を選び咲く
今年また野菊の坂を里帰り
バス待ちの薄着を濡らす菊の雨

1点句
円きものすべて愛しき手毬菊
山粧う川面に移る嵐山
菊に雨こころの友に思い馳せ
山の宿友と浴びる湯秋月夜
上手くなれ句集眺める夕時雨
花びらを一ひら散らし菊酒飲む

次回の投句&選句ご案内リンクなど

オンライン句会LP画面はこちらから
https://onlinekukai.jimdofree.com/?preview_sid=573194