今月のオンライン句会投句の講評
No1ブロック
無花果や両手いっぱいお裾分け
懐かしい田舎の光景が目に浮かび素敵な俳句です。昔は庭の隅に無花果の木があってよく子供おやつにもいで食べたものです。お隣から頂いたりあげたりで近所付き合いが楽しかったものですね。
No2ブロック
竹の春八幡跡のコンビニに
竹林が切り開かれて新しくコンビニが出来ているのでしょうか。どこの町でもコンビニは沢山あって、駐車場がひろいので、新興住宅の神社の跡にあったりするかも知れませんね。どこか楽しい俳句です。
No3ブロック
月餅を月に見立てて茶会かな
お月見の句ですね。今年は29日でもう過ぎましたが、長い夏がやっと少し涼しくなったばかりで夕涼みがてらのお月見でした。忙しなく月を眺めるくらいがやっとですが、お茶会を催して月のお菓子を頂くなんて素敵ですね。昼の会なので見立てるのか、雨月なのか、無月なのか、どこかユーモラスで楽しいところがいい句です。
No4ブロック
還暦を迎えて期する竹の春
還暦は人生の節目です。竹のように早く成長して親竹と並ぶという訳にはいかない年ですが、人生百年時代を生き抜くには、還暦で赤いちゃんちゃんこはもう古いようですね。いよいよこれからというような竹の春の秀句です。
No5ブロック
窓開けて眠る今宵や竹の花
竹の春どころか竹の花を詠まれた面白い句ですね。竹は花がめったに咲かない植物で60年から120年に一度一斉に咲いて枯れてしまうと言います。その後は10年から15年かかり種が大きく育ちもとのように戻るのだそうです。不吉な縁起の悪い花だと言われるのは、その為なのだそうですが、2019年のコロナ禍のはじまりあたりから未だに各地で咲いているようです。あまりに長いサイクルの植物ですが、枯れた後には種が残りまた竹が生えてくるというところがスゴイです。何だかいつもとは違って見納めなのでしょうか?私はまだ見たことが無いのでこの気持ちわかる気がして面白い俳句ですね。
<総評>
今月は難しいお題だったのですが、いい句が多くて勉強になりました。竹は季節も逆だし、親を追い抜く出世の謂れがるかと思えば、花には不吉な謂れもあるのですね。食べれば美味しいのですが、日本的な情緒を京都などで味わうと、いろんな竹の性質は二の次で、古風なイメージに浸りたいような植物です。冬に雪にしなるような竹林も日本のイメージにはぴったりですね。
9月の投句一覧
竹の春ここを越えれば駅の町
竹春や還暦過ぎて空青し
鬱蒼と公園裏の竹の春
無花果や両手いっぱいお裾分け
夕焼けが褪せて哀しく鴉鳴く
秋高し片手に薄きカーディガン
竹の春八幡跡のコンビニに
道端の無花果熟れし香よし
地蔵堂風のさわわと竹の春
月餅を月に見立てて茶会かな
野良猫の横切る先は竹の春
夕暮れの廃家の庭に竹の春
隧道を越えて故郷竹の春
竹の春熱き議論も画面越し
兵の影入る茂み竹の春
還暦を迎えて期する竹の春
還暦を過ぎても娘竹の春
窓開けて眠る今宵や竹の花
竹の春医院は深き藪の中
竹の春全てを忘れ青々と
3点句
流星や路面電車の消える町
シート敷き息のみ待つや流星群
2点句
移り行く夜風に流星が落ちる
寝苦しく見つめる闇を星が飛ぶ
流星や宇宙の彼方指さして
神殿は遠い昔の星の地図
いわし雲カモメの艦隊伊根の海
天気図の日本列島赤まんま
1点句
幼き日まぶたに浮かぶ流れ星
流れ星おとぎ話の母の声
次回の投句&選句ご案内リンクなど
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