12月句会の選評

<12月の句会選評>

No22 気が付けばもう酉の市宵の風

宵の風の余韻が素晴らしいと思いました。選者:上西恵子

No11 酉の市異国のことば乱れ飛ぶ

最近は異国の言葉を耳にします。バスでも汽車でも飛行機も。その昔はお国言葉が懐かしき思いましたが、酉の市は国際化しました。選者:北美三風

No8 寄鍋を囲みてしばし迷い箸

寄鍋の色々具材確かに迷う。選者:龍野ひろし

No 45 日なたぼこ幸せ過ぎて猫となり

日なたぼこの幸せを猫の身になって面白い詠みである。選者:辻 雅宏

No 35 酉の市抜けて夜空の広く見え

酉の市の賑やかさがきえて、静かに夜空が広がっている情景がよく見えます。
選者:水野幸子

No 10 路地ひとつ入れば暗し酉の市

酉の市の賑わいの対照的な路地の淋しさが出ており、都会のうわべの華やかさのかげにあるもの暗さを示している。人生の哀歓に通じるものを感じさせる。
選者:青山好夫

 

12月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

軒下に葉牡丹は陽を散りばめて

葉牡丹が咲く古風なお宅が目に浮かびますね。なかなか花の無い冬の庭の自然な風景で素敵ですね。

公園へ来て葉牡丹と会う日和

公園などに冬の花とっして綺麗に整えられた葉牡丹を東京などではよく見かけます。
暖かな冬のうららかな一日のお散歩でしょうか。素敵な冬日和ですね。

貰い受けし葉牡丹ひやり縁の下

葉牡丹の葉が寒い北風に晒されてひんやりとしている淑気のようなものを感じますね。縁の下があるお宅は何だか珍しい気がする時代ですね。

キャンパスに黄金色なる落葉舞い

落葉が綺麗な夕暮れ時が思い浮かびます。写生のキャンパスを三脚に立ているのでしょうか。銀杏落葉なのだと思いますね、東京の風景でしょうか。

日を浴びて散らぬ葉牡丹どつしりと

ずっしりとした貫禄のある葉牡丹の句ですね。葉が開いて色が変わり散るような気がしても散ることはなく長持ちします。かなり春先まで持ったりしますね。葉牡丹から菜の花が咲くこともあることを上手く詠まれた楽しい句です。

 

<総評>

今回は葉牡丹の写生句に近い句が多かった気がします。俳句の基本ですからいい事ですが、お題の描写を越えた作者の想いが読みとれる句が詠めるとかなりレベルが上がって面白いです。今年はそんな自分の言いたい想いを込めて俳句を詠んでみることをお進めします。

 

11月の点盛りの結果

2点句

高千穂峡錦秋見上げ小舟漕ぐ
初時雨両手で包むティーカップ
山道を踏みしめている秋麗(あきうらら)
境内の落ち葉集めて描くハート
初時雨部屋着のままのカフェオーレ

1点句

露天風呂鼻歌漏れて星月夜
旅人と足跡重ね初時雨
ぐずぐずとゆく生涯や初時雨
もどかしや剥けそで剥けぬ衣被(きぬかつぎ)
初時雨捲り忘れたカレンダー

 

12月の投句一覧

母宛ての葉書数える去年今年
葉牡丹のカラフルになり茎伸びる
軒下に葉牡丹は陽を散りばめて
数へ日や何度も見直すカレンダー
陽の方へプランタ乗り越え葉牡丹
公園へ来て葉牡丹と会う日和
数へ日や予約しようか美容院
プランタの主役陣取り葉牡丹咲く
貰い受けし葉牡丹ひやり縁の下
数へ日や菊花茶(きくかちゃ)の香にひと呼吸
葉の渦を葉牡丹として春を待つ
日を浴びて散らぬ葉牡丹どつしりと
キャンパスに黄金色なる落葉舞い
葉牡丹を植える手袋厚きゴム
葉牡丹の等間隔の地中まで

次回の投句&選句ご案内リンクなど

オンライン句会はこちらから https://onlinekukai.jimdofree.com/?preview_sid=573194

 

12月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

プチケーキ母と分け合う聖夜かな

プチケーキは可愛いですね。アマンドのエクレアや銀座コージーコーナーなど、食べやすさが人気で親子には最適ですよね。何種類も沢山選べる楽しいクリスマスの様子と、恋人同士のロマンチックなイブとは違う親子の愛を感じる句です。

No2ブロック

また来るね握る母の手冬日和

クリスマスは聖母マリア様を思い出すものですね。また、年末年始の年の瀬のせわしなさに切なさやまた新しい年が来る期待との入り混じった感じが素晴らしい俳句です。

No3ブロック

赤き実をさんざ探せり雪兎

雪兎にはやっぱり赤い実の目を入れなければそれらしくないという雪の日の楽しさが伝わり微笑ましい句です。

No4ブロック

今年また年賀状書く有難さ

これはよく解ります。一枚一枚感謝しながら、そして、年末の行事のように恒例で家中が忙しい中にも嬉しさを感じる俳句です。

No5ブロック

十箱の本断捨離す小晦日(こつごもり)

これは本当のことだとしたらスゴイですね。十箱で重箱ではないので、大掃除とは言えものすごい量ですから、よほどの読書家の方かなぁ?兎に角、スゴイ年末らしい句ですね。

<総評>

年末年始はとても忙しく皆さん時間に追われながら投句して下さりありがとうございました。2024年はものすごい災害のニュースで始まってしまいましたが、何とか今年も宜しくお願い致します。

 

12月の投句一覧

雪兎どこからが道か聞いてみる
雪兎住宅街を鳴き澄ます
プチケーキ母と分け合う聖夜かな
雪達磨君とならんで雪兎
祖母の家籠り真ん丸雪うさぎ
また来るね握る母の手冬日和
近所の子遊んだあとに雪兎
赤き実をさんざ探せり雪兎
夫(つま)と行く宇治の河原に雪兎
何の葉を耳にしましょか目にしようか
雪猫に雪犬隣り雪兎
今年また年賀状書く有難さ
こんな日に電車ストップ雪兎
雪うさぎ名の無さそうな瞳をし
十箱の本断捨離す小晦日(こつごもり)

(12月末〆切り分)

11月の点盛りの結果


2点句

あと何分バス待つ空に昼の月
石畳足元冷たき朝時雨

1点句

窓の外帰り支度も夕時雨
オルゴール博物館の小夜時雨
公園に時雨の後の雀鳴く
寒暁や窓より望む青瓦台(せいがだい)
時雨にて立ち寄る店に探し物
忽ちに時雨上がれば群れ雀
まだ暗き市場の朝に息白し
読みかけの本を取り出す夕時雨
下北の駅前時雨弾き語り
夕時雨駅前通りの人無言
待ち合わせすっかり忘れ片時雨

次回の投句&選句ご案内リンクなど

オンライン句会はこちらから https://onlinekukai.jimdofree.com/?preview_sid=573194

12月の最高得点句

12月の最高得点句 


3点句

着ぶくれて北ウィングの朝7時

季語は「着ぶくれ」冬。

義士の日のポストに喪中葉書あり

季語は「義士の日」冬。

12月14日の赤穂浪士の討入りの日を「義士の日」として季語とされています。難しいお題ですが、日本人の心に残る切ない仇討ちの逸話として歌舞伎の出し物にもなっていますね。武士道なんて古い精神論ですが、忠義心という誠の心を忘れずに現代にも通じる俳句を詠んでゆきたいです。時代の流れと人の世の刹那を感じる句に点が入りました。そしてまた、一年間の疲れを癒すかのように旅に立つ俳句にも点が入りましたね。ロマンチックで素敵な空の旅を思わせる素敵な句です。

 

歳時記「大晦日」

大晦日

十二月の末日。月の末日の意味で、一年の終わりであるため、大の字を添えて大晦日、大つごもりという。この日に晦日蕎麦を食べる風習があり年越し蕎麦といいます。

新暦でも旧暦でもいずれにも用いられ、晦日もつごもりも月の末日の意味。月隠(つきごもり)の変化したものといわれる。

傍題には「大三十日」「大年」「大つごもり」など。