11月の兼題「酉の市」

11月の兼題「酉の市」

十一月中の酉の日の鷲神社の祭事。熊手は大小様々なものが売られており、主に売り手の思惑により年々大きくしてゆくものともされている。

「酉の日」は、毎日に 十干十二支 を当てて定める日付け法で「酉」に当たる日のこと。 酉の日は12日おきに巡ってくる。 ひと月は30日なので、日の巡り合わせにより、11月の酉の日は2回の年と3回の年がある。

傍題に、一の酉、ニの酉、三の酉、熊手

 

 

11月句会の選評

<11月の句会選評>

22 気が付けばもう酉の市宵の風

宵の風の余韻が素晴らしいと思いました。選評:上西恵子

11 酉の市異国のことば乱れ飛ぶ

最近は異国の言葉を耳にします。バスでも汽車でも飛行機も。その昔はお国言葉が懐かしき思いましたが、酉の市は国際化しました。選評:北美三風

8 寄鍋を囲みてしばし迷い箸

寄鍋の色々具材確かに迷う。選評:龍野ひろし

45 日なたぼこ幸せ過ぎて猫となり

日なたぼこの幸せを猫の身になって面白い詠みである。選評:辻 雅宏

35 酉の市抜けて夜空の広く見え

酉の市の賑やかさがきえて、静かに夜空が広がっている情景がよく見えます。
選評:水野幸子

10 路地ひとつ入れば暗し酉の市

酉の市の賑わいの対照的な路地の淋しさが出ており、都会のうわべの華やかさのかげにあるもの暗さを示している。人生の哀歓に通じるものを感じさせる。
選評:青山好男

 

11月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

高千穂峡錦秋見上げ小舟漕ぐ

秋が遅くて短いこの頃ですが、そんな短い秋の紅葉の素晴らしい景色が目に浮かぶ秀句です。秋も深まり東京ではこれからが黄葉の季節ですね。

露天風呂鼻歌漏れて星月夜

星月夜の季語が最後の下五で絶景の美しい句に仕上げていて素敵な俳句です。気持ちよさそうな作者の気持ちがよく解ります。

山道を踏みしめている秋麗(あきうらら)

山道を歩いている作者の姿が浮かびます。トレッキングでしょうか。山は不思議な力で人を引き付けて秋のよいお天気の日の森林浴の心地よさが伝わります。

境内の落ち葉集めて描くハート

ハートの形の落葉もありそうですが、そんな落葉そのものを集めてハートの形を描いているのですね。優しい住職さんなのでしょう。楽しい素敵なお寺さんの句です。

初時雨部屋着のままのカフェオーレ

寒くなり始める初冬の季語に部屋着のままという面白いスチエーションです。カフェオーレはホットだと思いますので、はっきりしないお天気なので、ふらっと外に出たけれど時雨にあってカフェで一休みしているのかな。朝、起きぬけの朝時雨の句と読む方がいいかも知れません。ドラマがあって面白い句です。

<総評>

秋も深まりとうとう東京でも紅葉がはじまった今年の初冬らしい絶景の句が多かったです。美しい自然は人の心を癒してくれますね。自然災害の多い最近ですが、何とか美しい観光地の景色がそのままに残されたらいいです。

 

10月の点盛りの結果

2点句

柘榴酒で祝うノーベル文学賞
鳥の影追えば石榴の竹の庭
背を越えて実石榴割れる垣の内

1点句

実石榴の庭園和むお茶タイム
本当は泣きたい夜もある割れ柘榴
木戸の奥あれは石榴と茶室まで
にごり酒友の愚痴聞く長き夜
千秋楽はねた満月にうさぎ
渡り鳥みな旅の目をし居るらし
色の濃いジュースに石榴健康食

 

11月の投句一覧

高千穂峡錦秋見上げ小舟漕ぐ
初時雨両手で包むティーカップ
実る穂やキャンパスは田の大谷クン
境内の落ち葉集めて描くハート
米不足殊更敬う新嘗祭
露天風呂鼻歌漏れて星月夜
秋天に溶ける機影の銀の腹
山道を踏みしめている秋麗(あきうらら)
もどかしや剥けそで剥けぬ衣被(きぬかつぎ)
初時雨部屋着のままのカフェオーレ
吾の留守父母は家中に初時雨
旅人と足跡重ね初時雨
ぐずぐずとゆく生涯や初時雨
ぽつねんと石の個性や秋の径
一日寝しゅわと消え行く数え日を
足ばやに傘など持たず初時雨
初時雨帽子で弾く朝の町
気が付けば何時しか長袖初時雨
こんな時急ぎの用事初時雨
初時雨捲り忘れたカレンダー

次回の投句&選句ご案内リンクなど

オンライン句会はこちらから https://onlinekukai.jimdofree.com/?preview_sid=573194

 

11月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

あと何分バス待つ空に昼の月

昼の空の白い月が冬めいてきた空に寒々しく見える町の風景ですね。慌ただしく時計を見る作者の気持ちが伝わります。

No2ブロック

オルゴール博物館の小夜時雨

面白い句ですね。季語が効いてます。オルゴールは可愛らしい音色でなっているのでしょうか。夜の時雨はどこか寂し気で物憂い感じが博物館の広さを物語っているようです。

No3ブロック

時雨にて立ち寄る店に探し物

急に小雨が降ったり止んだりで、はっきりしない天気につい何かを忘れてしまったのでしょう。立ち寄った店にその探し物がないのは当然急な事だからなのでしょうが、何となく面白いですね。

No4ブロック

まだ暗き市場の朝に息白し

白い息が朝の寒さを表現しています。市場の朝は賑わいが行き来して、人の蠢きの狭間でふと息の白さに気が着いて冬になった事を感じた句ですね。上手く整っています。

No5ブロック

待ち合わせすっかり忘れ片時雨

「片時雨」天気雨のような晴れている場所と時雨の場所とが両方見えるときの季語ですが、あまり使われない珍しくて面白い季語を見つけられましたね。なんとなく不安定な天候に待ち合わせを忘れてしまったというところが俳諧味があって楽しいです。

<総評>

今回はお題の「時雨」が不安定な天候の季語なので、何となく不安な感じと、面白いユーモアとが入り交り、ペーソスというかアンニュイというか、意外に面白い句が多くていいお題だと思いました。ドラマが生まれそうな秀句が多かったです。


11月の投句一覧

起き抜けや時雨の朝の風呂に入る
朝時雨どうやら今日は傘がいる
あと何分バス待つ空に昼の月
窓の外帰り支度も夕時雨
オルゴール博物館の小夜時雨
小夜時雨バックに書類押し込めて
旅に出てソウルの空に凍(い)つる月
石畳足元冷たき朝時雨
公園に時雨の後の雀鳴く
時雨れるを小走りにランドセル通る
寒暁や窓より望む青瓦台(せいがだい)
時雨にて立ち寄る店に探し物
時雨粒平和の祈り掠め落つ
忽ちに時雨上がれば群れ雀
まだ暗き市場の朝に息白し
読みかけの本を取り出す夕時雨
下北の駅前時雨弾き語り
夕時雨駅前通りの人無言
行く年や積み残したる悔い多し
待ち合わせすっかり忘れ片時雨

(11月末〆切り分)

10月の点盛りの結果


3点句

名作の言葉身に入む読書会
身に入むや西日に染まる母の頬
駅を背に家の灯までの月明り
満ち欠けに雲の舟浮く月明り

2点句

カーテンの影に黒猫月明り

1点句

後の月見えるだろうかビル狭間
もう一度遠回りしてワンカップ
定年や紅葉且つ散る褪(あ)せぬまま
紅葉且つ散りつつ映える水面かな
ぼんやりと影に越されて月明り
夜の雲薔薇色に染め小望月

次回の投句&選句ご案内リンクなど

オンライン句会はこちらから https://onlinekukai.jimdofree.com/?preview_sid=573194

11月の最高得点句

11月の最高得点句

2点句

草餅の黄粉気遣うお茶タイム

季語は「餅」冬。

髪切って母を訪ねる小春空

季語は「小春」冬。

お題は「餅」だったのですが冬のうららかな小春日の句に点が入りました。「草餅」にも点が入りましたが実は「草餅」は春の季語です。11月頃には冬なのに春のような暖かなお天気の日が多いので、今回はこの2句が高得点でした。点がばらけて難しいお題でしたね。今の時代には、お正月が待ち遠しくなるお題です。

 

歳時記「七五三」

【七五三】

 

早くも十一月です。十一月になるとすぐに立冬がきます。2022年の今年は11月7日が立冬となります。暦の上とはいえ早くも冬が来るのですね。秋が来たかと思えば、もうすぐ冬なんですね。何だか寂しいような気がしますが暦は待ってはくれないものですが、果たして今年は寒い冬でしょうかどうなのでしょう。温暖化は進み海流の変化が気になりますが、それでも冬は以外に厳しくなるかも知れません。日本海側では雪が多く関東では例年並みかやや寒いのではないかという気象庁の予想ですが、いったいどうなるのか想像できないようです。

秋の心地良い爽やかな気候から寒くなると、今年は厳しい冬が来るのかもしれないと考えますが、どうも解らない気候の変動が問題になっていますね。そんな2022年にも十一月ともなれば、毎年「七五三」があります。

11月15日を目安にお祝いしていますが、その齢のお子さんがいるお宅では、一生に一度きりの大切な行事です。まだまだコロナ禍ではありますが、たとえ自粛体制であろうとお祝いはお祝いとして掛け替えのないものです。やはりこうした行事はその意味を正しく理解して何時までの伝えて行きたいですね。そこで少し解りやすくまとめてご紹介しますね。

 

三歳の祝い「髪置」

男女を問わず三歳の成長を祝う行事。

赤子の髪は剃るものだったが三歳になると髪を伸ばして整える。

五歳の祝い「袴着」

男子の儀式。初めて袴を着ることを祝う行事。

七歳の祝い「帯解」

女子の儀式。付け帯から初めて大人の帯を付けることを祝う行事。

 

当たり前のように慣習として認識しているつもりでいますが、意外に忘れている古風な行事です。現代は少子化が問題視されていますが、昔は子供から大人へ成長するまでに沢山の試練があったんですね。医学が進歩した現代でも命を授かり大人として成長することはそれだけでまるで奇跡です。

可愛らしい七五三のお祝いの姿をしている子供連れの家族を見ると、忙しく生きる現代の人間でも、やはりお祝いしたくなる目出度い行事です。