9月句会の選評

<9月の句会選評>

40  国宝の城を真下に今日の月

お城と名月、絵になる景です。  選評 稲田覚

26   月今宵話相手は「わたし」だけ

少子高齢化、独居、孤独。様々な情景が浮かびますが、孤独を楽しんでいる強さも感じます。選評 北美三風

10  新涼の駅舎にひびく発車ベル

10番の句、ついこの間まで、駅舎も暑苦しく、発車のベルの音ももやっとした音に聞こえてたのが涼しげな音に響いて来たという感覚が上手く表現されて、新涼が効いてると思います。選評水野幸子

34  名月や境内で聴くジャズライブ

満月の明かりの下でのジャズライブとは今風の詠みである。選評 辻雅 宏

31  名月を波にあそばす目黒川

「波にあそばす」のとこの擬人化が面白いと思いました。選評 原田啓子

 

 

 

8月句会の選評

<8月の句会選評>

22            新涼や水影揺らす渡し舟

風景が浮かぶ。絵画の如し。  選評 北美三風

14            新涼の駅舎にひびく発車ベル

新涼の駅舎の鐘の音まで涼しげに聞こえて来ます。      選評    水野幸子

17            髪切つてうなじに風の涼新た

紙を切りさっぱりとしたうなじをなでる風に、秋の気配を感じました。    選評 田中むつみ

15            新涼や筆速やかに「はね」を決め

筆のはねの勢いが感じられる。       選評     龍野ひろし

3               辻ごとに湧水の井戸涼新た

辻辻に湧く水の清冽さが季語とコラボしている。 選評 辻 雅宏

2               新涼やゴルフパットのナイスイン

スカッと決まった瞬間の涼風を感じる良い句です。     選評 原田啓子

19            名月へ連れ出す母の車椅子

景が見えます。こんなひとときを持ちたかったです。選評    米重初枝

23            満月を素手で散らして露天風呂

露天風呂と月に風情、湯に映る月を手でこわす名月鑑賞の一つのやり方と納得。          選評   青山好男

 

11月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

4の句 美しき菊わが庭を選び咲く

菊に選ばれた庭とはどんな庭なのか、さぞ立派なお庭だろうと思いますが、意外なお庭なのかも知れませんね。そんな想像力を駆り立てられるようなところが面白いです。

No2ブロック

2の句  役目終え文字の消えかけ捨案山子

案山子が少ない東京暮らしには、捨て案山子を実際に見ることはなかなかできませんが、この時期にはお疲れ様の案山子のコミカルな姿が目に浮かびます。

No3ブロック

4の句 菊に雨こころの友に思い馳せ

「菊に雨」が効いていますね。「の」か「に」は短いだけに悩みますが、菊の様な素敵なお友達がいたのでしょうか。クラス会の集まりでも3年ぶりにあったのかも知れませんね。

No4ブロック

1の句 バス待ちの薄着を濡らす菊の雨

菊の咲く初秋の時期を詠まれていて、作者の情景が浮かびます。菊のような雨とはいい香りの恵みの雨でしょうか。少しづつ寒くなる薄着というところが面白いですね。「羅・うすもの」や「薄衣」だと夏の季語ですが、「薄着」なら夏だけに限らないという俳句特有の面白さもありいい句です。

No5ブロック

2の句 上手くなれ句集眺める夕時雨

句集を詠みながらご自分も上手くなりたいという想いがストレートに伝わり共感を呼ぶ秀句です。

<総評>

今回のお題が「菊」だったので、美しい句が多かったです。重陽の節供は9月9日なのでもう少し「野菊」や「紫苑」のような自然に咲く秋らしい句が多いかと思いましたが、案外、生活にそった現代の句が集まり面白かったです。

(11月1日)

10月の投句一覧

亡き父の郷より届く今年米
秋晴れや空の青さに背伸びして
菊の香を頼りに合わす手にお数珠
美しき菊わが庭を選び咲く
幼子をなぜに泣かせる菊人形
役目終え文字の消えかけ捨案山子
野菊咲くこの坂登る齢数え
菊の庭こんな私に詩を赦せ
円きものすべて愛しき手毬菊
山粧う川面に移る嵐山
今年また野菊の坂を里帰り
菊に雨こころの友に思い馳せ
バス待ちの薄着を濡らす菊の雨
山の宿友と浴びる湯秋月夜
紫苑咲くこの空はいつまでも広く
菊まつり野生の菊をのちに見む
気が付けば仏壇菊も途絶えがち
上手くなれ句集眺める夕時雨
花びらを一ひら散らし菊酒飲む
黄菊の朝の挨拶溢れ咲く

(10月〆切り分)

月の点盛りの結果 

3点句
盆踊り輪に交われば土地の人     
踊り終え闇へ散りぢり解けゆく    

2点句
盆踊自転しながら公転し       
あぜ赤く一直線に彼岸花       
「いい女」踊浴衣で気取る夜     

1点句
和太鼓の響きに町は盆踊り      
盆踊り宇宙をぐるり一回り      
盆踊手も触れぬまま初デート     
赤とんぼ田んぼの上のヘリコプター  

次回の投句&選句ご案内リンクなど

オンライン句会LP画面はこちらから https://onlinekukai.jimdofree.com/?preview_sid=573194

10月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

4の句 盆踊り輪に交われば土地の人

 「土地の人」という下五のフレーズが印象的です。新しく越して来た方か、都会から田舎へ移り住んだのでしょうか。それとも旅先で盆踊りに混じって踊る旅浴衣姿の句なのでしょうか?どこかお盆の切なさが感じられます。

No2ブロック

4の句  あぜ赤く一直線に彼岸花

 彼岸花は葉が無く真っすぐに列のように道端に咲く姿をよく見かけますね。紅い色が鮮やかでどこか血の色に似た奇抜なほどの美しさを上手く詠まれています。

No3ブロック

2の句 踊り終え闇へ散りぢり解けゆく

 下五の「解けゆく」という表現が面白いです。溶けるのではなく「ほどける」とされて、盆踊りの浴衣姿が目に浮かびます。踊りの輪は曲が終わるとバラバラになる感じがします。長い街道を練り歩く列がばらける様子でしょうか。どちらともとれますね。

No4ブロック

3の句 「いい女」踊浴衣で気取る夜

 浴衣の女性の色っぽい風情が感じられて「いい女」の姿が目に浮かびます。夏の女ですね。

No5ブロック

2の句 盆踊り宇宙をぐるり一回り

 盆踊りの太鼓櫓を思い出しますね。輪舞というとモダンですが、日本の盆踊りも宇宙のように丸い輪になって踊る姿がぐるぐる回る楽しさを感じます。

<総評>

今回は秋祭りとお盆の時期が混じったような時期となり残暑の厳しさよりも浴衣や夜の光景を詠んだ句が多かったです。やはり盆踊りは夜ですね。逆に明るい内から町を練り歩く姿を何だか懐かしく思い出しました。季語としてはややこしい時期で、「浴衣」「花火」などは夏の季語で「踊り」や「踊笠」「盆踊」などは秋の季語となります。

(10月3日)

今月の投句一覧  

踊りの輪太鼓を回り盆更ける
町は一つ三年越しの盆踊り
踊の輪きみの背中へあとすこし
盆踊り輪に交われば土地の人
侵略の悲劇のめぐる盆灯籠
盆踊りTVで観てる我もおどる
盆踊自転しながら公転し
あぜ赤く一直線に彼岸花
切々と侵攻のニュース残暑の夜
踊り終え闇へ散りぢり解けゆく
二の腕の眩しききみと踊る宵
彼岸花まっすぐ火花の通り道
盆踊り東京音頭に時忘れ
盆踊りにもグルーヴのありにけり
「いい女」踊浴衣で気取る夜
庭木まで蔦の葉絡まる廃家かな
和太鼓の響きに町は盆踊り
盆踊り宇宙をぐるり一回り
盆踊手も触れぬまま初デート
赤とんぼ田んぼの上のヘリコプター

 

<10月の点盛りの結果>

No1ブロック
盆踊り輪に交われば土地の人     三点句

No2ブロック
盆踊自転しながら公転し       二点句
あぜ赤く一直線に彼岸花       二点句

No3ブロック
踊り終え闇へ散りぢり解けゆく    三点句

No4ブロック
「いい女」踊浴衣で気取る夜     二点句

No5ブロック
和太鼓の響きに町は盆踊り      一点句
盆踊り宇宙をぐるり一回り      一点句
盆踊手も触れぬまま初デート     一点句
赤とんぼ田んぼの上のヘリコプター  一点句

主催の感想

今回は、3点句が2句ありました。
「盆踊り輪に交われば土地の人」
「踊り終え闇へ散りぢり解けゆく」
盆踊りは懐かしいものですね。土地柄の豊かな民謡や音頭が思い出されます。どちらの句も輪になって櫓を囲んで踊るイメージですね。動きのある言葉でまとめられていて躍動感が伝わります。

2点句には、個性的な句が選ばれましたね。
楽しい自由な発想が良かったようです。

5ブロックは、1点句で点がばらけてしまいました。
視点が似ていたのでしょうか。決め手が無かったようです。

こうしてみると纏まりのよい整った句にさらに作者の個性がある句が人気です。
これは以外に高度です。皆さんなかなかの腕前です。    

(11月7日) 

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