2月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

3の句 耳すまし山寺の鐘初景色

除夜の鐘でしょうか。荘厳なお正月らしいところがいい句だと感じます。東京でも場所によっては鐘の音が聞こえるのかも知れませんね。地方の方のような気がしますがどうなのでしょうか。

No2ブロック

1の句  中吉に息災願う初神籤

おみくじに願をかける思いが伝わります。中吉でも吉ですから、悪くはない一年になるに違いないです。そんなお正月の楽しさを感じます。

No3ブロック

2の句 初景色カーテン越しに猫見つけ

冬は猫が炬燵で丸くなっているような部屋の片隅のいいお天気の窓辺のほのぼのとした景色が目に浮かびます。可愛らしいですね。窓の外か内か覗いているのでしょうか、楽しい句です。

No4ブロック

3の句 初景色壁に掛けたる富士の山

一月は富士山の写真が似合いますね。壁に大きな白い雪をかぶった初富士の写真が飾られてコロナ禍でもやっぱり富士山は日本一の山、拝みたくなります。

No5ブロック

3の句 初景色帰省の子らの話し声

子供たちが田舎へ帰る賑やかな駅や町の光景ですね。自然の景色のなかに賑やかな家族連れが戻って来る嬉しいお目出度い句ですね。

<総評>

今回は、お正月ということでお目出度い句が多く楽しい雰囲気が伝わります。いつもはなんでもない光景がお正月になると賑やかに華やぐ様子がよく解りました。今年も一年間いい年でありますように神様に拝みたくなるようなお正月らしい句が多く、嬉しい気分になります。

(2月7日)

1月の投句一覧

一年の感謝とともに初詣
光り居る庭が草々初景色
耳すまし山寺の鐘初景色
初景色天まで届け社頭鈴
中吉に息災願う初神籤
未来より望む田畑初景色
初景色変わらぬ空に手を合わす
商店街出店が並ぶ初景色
雲ひとつなき正月の墓参り
初景色カーテン越しに猫見つけ
戸を開けて頬の冷たさ初景色
神社より空が開けて初景色
花びら餅ひとつで祝う母卒寿
水鳥の湖に羽ばたく初景色
初景色壁に掛けたる富士の山
しゃんしゃんと下駄の子走る初景色
お年玉あげて喜ぶ歳になり
富士火口宇宙から見る初景色
初景色帰省の子らの話し声
綿あめがお目当ての列初景色

(1月末〆切り分)


12月の点盛りの結果 


3点句

着ぶくれて北ウィングの朝7時
義士の日のポストに喪中葉書あり


2点句

初霰ハンドル握る指に落ち
着ぶくれの所狭しと中華屋に
着ぶくれのチワワ主人の腕の中
義士の日の体育倉庫に太鼓一つ
着ぶくれて 満員電車が さらに密


1点句

着膨れて都下喧騒の街を行く
着ぶくれの寝屋朝刊の音届く
義士の日に ケンカの仲裁 町内会
着ぶくれて身うごき鈍し試着室
隠すこと何もなき町霙降る
初霙ポップソングの湿りたる
児のひとりまぶたに落ちる玉霰
グラウンドの 部員着ぶくれ 朝練習
霰降る色無き町の交差点

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12月の最高得点句

12月の最高得点句 


3点句

着ぶくれて北ウィングの朝7時

季語は「着ぶくれ」冬。

義士の日のポストに喪中葉書あり

季語は「義士の日」冬。

12月14日の赤穂浪士の討入りの日を「義士の日」として季語とされています。難しいお題ですが、日本人の心に残る切ない仇討ちの逸話として歌舞伎の出し物にもなっていますね。武士道なんて古い精神論ですが、忠義心という誠の心を忘れずに現代にも通じる俳句を詠んでゆきたいです。時代の流れと人の世の刹那を感じる句に点が入りました。そしてまた、一年間の疲れを癒すかのように旅に立つ俳句にも点が入りましたね。ロマンチックで素敵な空の旅を思わせる素敵な句です。

 

11月の最高得点句

11月の最高得点句

2点句

草餅の黄粉気遣うお茶タイム

季語は「餅」冬。

髪切って母を訪ねる小春空

季語は「小春」冬。

お題は「餅」だったのですが冬のうららかな小春日の句に点が入りました。「草餅」にも点が入りましたが実は「草餅」は春の季語です。11月頃には冬なのに春のような暖かなお天気の日が多いので、今回はこの2句が高得点でした。点がばらけて難しいお題でしたね。今の時代には、お正月が待ち遠しくなるお題です。

 

1月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

4の句 着ぶくれて北ウィングの朝7時

旅行の句ですね。今年は規制のない久しぶりの冬で、海外に行かれたのでしょうか?素敵な句ですね。

No2ブロック

5の句  隠すこと何もなき町霙降る

雪が混じったような雨の事を霙(みぞれ)と言いますが、シャーペットのような透明感が雪の白さよりもさらに隠し事の無いという感覚でとらえていて面白いですね。

No3ブロック

1の句 着ぶくれの所狭しと中華屋に

狭いラーメン屋さんでしょうか。カウンター席しかない店にならんで待って着ぶくれたまま急いで啜る混むように食べる音が聞こえるようで楽しい句です。

No4ブロック

1の句 義士の日の体育倉庫に太鼓一つ

太鼓が古風な仇討ちを思わせます。倉庫にしまい込まれた古い太鼓でしょう。何だか時代が移り行く切なさを感じます。

No5ブロック

4の句 義士の日のポストに喪中葉書あり

「義士の日」という赤穂浪士の仇討ちを意味する季語にちょうど来た喪中の葉書の名前を見て驚く作者の姿が浮かぶ時代の流れを感じる素晴らしい句です。

<総評>

今回の句会はお題「霰」以外に月末定例句会メンバーの参加が加わり、季語の勉強になる句が多かったです。東京では、なかなか霰に出くわさないのでちょうどよかったです。12月は「義士の日」があることふと思い出すと人の世の刹那を感じます。現代ではコロナ禍の厳しさが重なりますが、忠義心を敬う気持ちを改めて考えさせられますね。 (1月5日)

12月の投句一覧

着膨れて都下喧騒の街を行く
おやつには 切腹最中 義士の日や
義士の日や俳句嗜(たしなむ)赤穂の士
着ぶくれて北ウィングの朝7時
垂れ目の子そっと霰に指触るる
初霰ハンドル握る指に落ち
着ぶくれの寝屋朝刊の音届く
義士の日に ケンカの仲裁 町内会
着ぶくれて身うごき鈍し試着室
帰国便着ぶくれのまま鼾(いびき)かき
隠すこと何もなき町霙降る
黄昏る門に一粒玉霰
着ぶくれの所狭しと中華屋に
義士の日は 仲直りして 鍋囲む
稜線や夕陽に染まる山眠る
着ぶくれのチワワ主人の腕の中
初霙ポップソングの湿りたる
結晶の花に涙の初霰
義士の日の体育倉庫に太鼓一つ
着ぶくれて 満員電車が さらに密
雲追いて芝に寝そべり冬の空
義士の日に百均で買う重曹粉
粗茶を汲み霙さなかをほっとする
児のひとりまぶたに落ちる玉霰
義士の日を生きる歴史の末端に
グラウンドの 部員着ぶくれ 朝練習
カサッカサッ落ち葉踏む音並木道
義士の日のポストに喪中葉書あり
みぞれの夜あすが来ること知つており
霰降る色無き町の交差点

(12月末〆切り分)
 
11月の点盛りの結果 


2点句

草餅の黄粉気遣うお茶タイム
髪切って母を訪ねる小春空

1点句

店先に餅が出始め齢数え
天高し朝のテラスで深呼吸
面焦げ絵に描くような餅出来ぬ
餅肌のマスクのうざくコロナ時代
駅前のマルシェも仕舞い月の舟
蓬餅ずんぐり聳え皿に座す
お煎餅後ひく老舗の秘伝技
夜歩く片割れ月は雲隠れ
癒しこそ餅の持ち味きなこ餅
餅焼けば焦げも香ばし網模様
鏡餅かち割る幸を分け合って

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12月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

2の句 天高し朝のテラスで深呼吸

秋の句ですね。11月の投句なのでまだ秋の季語「天高し」を使われていますが、今年は11月になって晴れた日が多かったのでよいと感じます。小春日和というよりも爽やかな秋の空に近い空の高さが解ります。

No2ブロック

2の句  駅前のマルシェも仕舞い月の舟

マルシェが夕方締まる時間帯が日に日に遅くなる秋から冬の変化を上手く詠まれています。「月の舟」のフレーズがロマンティックですね。

No3ブロック

3の句 蓬餅ずんぐり聳え皿に座す

とがった草餅団子か?何か長細いのか?面白い俳諧味のある秀です。

No4ブロック

2の句 夜歩く片割れ月は雲隠れ

十三夜の句なのかも知れませんね。2回お月見をするとよいといいますが、今年は9月と十月で早かったので、やはり半月の句でしょう。夜のお散歩なのかも知れません。

No5ブロック

3の句 鏡餅かち割る幸を分け合って

幸を分け合いお汁粉を作るのでしょう。お正月行事の鏡割りを思い出します。お汁粉が美味しい季節ですね。

<総評>

今回のお題「餅」だったので、楽しい句が多かったです。お餅はお正月に食べるくらいになりましたが、昔からお目出度い時には必ず付き物でした。小豆や黄粉とお菓子として食べたりしますから、やはり楽しい句になりますね。お雑煮が今から待ち遠しいです。

(12月8日)

11月の投句一覧

店先に餅が出始め齢数え
天高し朝のテラスで深呼吸
面焦げ絵に描くような餅出来ぬ
餅肌のマスクのうざくコロナ時代
駅前のマルシェも仕舞い月の舟
餅を切る幸せ伸ばす幸せよ
草餅の黄粉気遣うお茶タイム
隣家の子今宵も泣きて月の舟
蓬餅ずんぐり聳え皿に座す
お煎餅後ひく老舗の秘伝技
夜歩く片割れ月は雲隠れ
癒しこそ餅の持ち味きなこ餅
餅焼けば焦げも香ばし網模様
髪切って母を訪ねる小春空
鏡餅かち割る幸を分け合って

(11月〆切り分)
 
10月の点盛りの結果 


3点句
役目終え文字の消えかけ捨案山子

2点句
美しき菊わが庭を選び咲く
今年また野菊の坂を里帰り
バス待ちの薄着を濡らす菊の雨

1点句
円きものすべて愛しき手毬菊
山粧う川面に移る嵐山
菊に雨こころの友に思い馳せ
山の宿友と浴びる湯秋月夜
上手くなれ句集眺める夕時雨
花びらを一ひら散らし菊酒飲む

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11月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

4の句 美しき菊わが庭を選び咲く

菊に選ばれた庭とはどんな庭なのか、さぞ立派なお庭だろうと思いますが、意外なお庭なのかも知れませんね。そんな想像力を駆り立てられるようなところが面白いです。

No2ブロック

2の句  役目終え文字の消えかけ捨案山子

案山子が少ない東京暮らしには、捨て案山子を実際に見ることはなかなかできませんが、この時期にはお疲れ様の案山子のコミカルな姿が目に浮かびます。

No3ブロック

4の句 菊に雨こころの友に思い馳せ

「菊に雨」が効いていますね。「の」か「に」は短いだけに悩みますが、菊の様な素敵なお友達がいたのでしょうか。クラス会の集まりでも3年ぶりにあったのかも知れませんね。

No4ブロック

1の句 バス待ちの薄着を濡らす菊の雨

菊の咲く初秋の時期を詠まれていて、作者の情景が浮かびます。菊のような雨とはいい香りの恵みの雨でしょうか。少しづつ寒くなる薄着というところが面白いですね。「羅・うすもの」や「薄衣」だと夏の季語ですが、「薄着」なら夏だけに限らないという俳句特有の面白さもありいい句です。

No5ブロック

2の句 上手くなれ句集眺める夕時雨

句集を詠みながらご自分も上手くなりたいという想いがストレートに伝わり共感を呼ぶ秀句です。

<総評>

今回のお題が「菊」だったので、美しい句が多かったです。重陽の節供は9月9日なのでもう少し「野菊」や「紫苑」のような自然に咲く秋らしい句が多いかと思いましたが、案外、生活にそった現代の句が集まり面白かったです。

(11月1日)

10月の投句一覧

亡き父の郷より届く今年米
秋晴れや空の青さに背伸びして
菊の香を頼りに合わす手にお数珠
美しき菊わが庭を選び咲く
幼子をなぜに泣かせる菊人形
役目終え文字の消えかけ捨案山子
野菊咲くこの坂登る齢数え
菊の庭こんな私に詩を赦せ
円きものすべて愛しき手毬菊
山粧う川面に移る嵐山
今年また野菊の坂を里帰り
菊に雨こころの友に思い馳せ
バス待ちの薄着を濡らす菊の雨
山の宿友と浴びる湯秋月夜
紫苑咲くこの空はいつまでも広く
菊まつり野生の菊をのちに見む
気が付けば仏壇菊も途絶えがち
上手くなれ句集眺める夕時雨
花びらを一ひら散らし菊酒飲む
黄菊の朝の挨拶溢れ咲く

(10月〆切り分)

月の点盛りの結果 

3点句
盆踊り輪に交われば土地の人     
踊り終え闇へ散りぢり解けゆく    

2点句
盆踊自転しながら公転し       
あぜ赤く一直線に彼岸花       
「いい女」踊浴衣で気取る夜     

1点句
和太鼓の響きに町は盆踊り      
盆踊り宇宙をぐるり一回り      
盆踊手も触れぬまま初デート     
赤とんぼ田んぼの上のヘリコプター  

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10月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

4の句 盆踊り輪に交われば土地の人

 「土地の人」という下五のフレーズが印象的です。新しく越して来た方か、都会から田舎へ移り住んだのでしょうか。それとも旅先で盆踊りに混じって踊る旅浴衣姿の句なのでしょうか?どこかお盆の切なさが感じられます。

No2ブロック

4の句  あぜ赤く一直線に彼岸花

 彼岸花は葉が無く真っすぐに列のように道端に咲く姿をよく見かけますね。紅い色が鮮やかでどこか血の色に似た奇抜なほどの美しさを上手く詠まれています。

No3ブロック

2の句 踊り終え闇へ散りぢり解けゆく

 下五の「解けゆく」という表現が面白いです。溶けるのではなく「ほどける」とされて、盆踊りの浴衣姿が目に浮かびます。踊りの輪は曲が終わるとバラバラになる感じがします。長い街道を練り歩く列がばらける様子でしょうか。どちらともとれますね。

No4ブロック

3の句 「いい女」踊浴衣で気取る夜

 浴衣の女性の色っぽい風情が感じられて「いい女」の姿が目に浮かびます。夏の女ですね。

No5ブロック

2の句 盆踊り宇宙をぐるり一回り

 盆踊りの太鼓櫓を思い出しますね。輪舞というとモダンですが、日本の盆踊りも宇宙のように丸い輪になって踊る姿がぐるぐる回る楽しさを感じます。

<総評>

今回は秋祭りとお盆の時期が混じったような時期となり残暑の厳しさよりも浴衣や夜の光景を詠んだ句が多かったです。やはり盆踊りは夜ですね。逆に明るい内から町を練り歩く姿を何だか懐かしく思い出しました。季語としてはややこしい時期で、「浴衣」「花火」などは夏の季語で「踊り」や「踊笠」「盆踊」などは秋の季語となります。

(10月3日)

今月の投句一覧  

踊りの輪太鼓を回り盆更ける
町は一つ三年越しの盆踊り
踊の輪きみの背中へあとすこし
盆踊り輪に交われば土地の人
侵略の悲劇のめぐる盆灯籠
盆踊りTVで観てる我もおどる
盆踊自転しながら公転し
あぜ赤く一直線に彼岸花
切々と侵攻のニュース残暑の夜
踊り終え闇へ散りぢり解けゆく
二の腕の眩しききみと踊る宵
彼岸花まっすぐ火花の通り道
盆踊り東京音頭に時忘れ
盆踊りにもグルーヴのありにけり
「いい女」踊浴衣で気取る夜
庭木まで蔦の葉絡まる廃家かな
和太鼓の響きに町は盆踊り
盆踊り宇宙をぐるり一回り
盆踊手も触れぬまま初デート
赤とんぼ田んぼの上のヘリコプター

 

<10月の点盛りの結果>

No1ブロック
盆踊り輪に交われば土地の人     三点句

No2ブロック
盆踊自転しながら公転し       二点句
あぜ赤く一直線に彼岸花       二点句

No3ブロック
踊り終え闇へ散りぢり解けゆく    三点句

No4ブロック
「いい女」踊浴衣で気取る夜     二点句

No5ブロック
和太鼓の響きに町は盆踊り      一点句
盆踊り宇宙をぐるり一回り      一点句
盆踊手も触れぬまま初デート     一点句
赤とんぼ田んぼの上のヘリコプター  一点句

主催の感想

今回は、3点句が2句ありました。
「盆踊り輪に交われば土地の人」
「踊り終え闇へ散りぢり解けゆく」
盆踊りは懐かしいものですね。土地柄の豊かな民謡や音頭が思い出されます。どちらの句も輪になって櫓を囲んで踊るイメージですね。動きのある言葉でまとめられていて躍動感が伝わります。

2点句には、個性的な句が選ばれましたね。
楽しい自由な発想が良かったようです。

5ブロックは、1点句で点がばらけてしまいました。
視点が似ていたのでしょうか。決め手が無かったようです。

こうしてみると纏まりのよい整った句にさらに作者の個性がある句が人気です。
これは以外に高度です。皆さんなかなかの腕前です。    

(11月7日) 

次回の投句&選句ご案内リンクなど

オンライン句会LP画面はこちらから https://onlinekukai.jimdofree.com/?preview_sid=573194