10月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

柘榴酒で祝うノーベル文学賞

ノーベル文学賞は今年は韓国の作家でしたね。石榴酒は韓国で飲まれていて人気と聞きます。この頃は日本でも石榴が健康にいいと見直されているようで、タイムリーな素晴らしい句です。

本当は泣きたい夜もある割れ柘榴

石榴の鮮やかな色の実が割れているのは印象的です。上手い下五の構成ですね。石榴が割れている庭の光景かフルーツ皿か意味シンなたとえなのか切ない夜の句ですね。どこかにイロニー的なユーモラスなリズムがあって秀句です。

寄席帰り一人笑いに月明り

月明りの帰り道に寄席のことを思い出す作者の楽しいご性格が伺えます。ひとりで月夜のお散歩なんて洒落てますね。

にごり酒友の愚痴聞く長き夜

秋の夜長に友達との長話は若者にはよくあることですね。中高年になるとなにかとつい愚痴が出ます。家族のことでも仕事のことでも何となくにごり酒の季語が地元の者同士の様で共感を呼ぶ心の温まる俳句ですね。

千秋楽はねた満月にうさぎ

何の千秋楽なのでしょうか。相撲かお芝居かこれで最後と思うと気持ちがこもり跳ねた兎のように思い切ったことが出来るものですね。秋の満月が美しい夜なのでしょう。素敵な句ですね。

 

<総評>

今月は長い猛暑の名残が続いて記録的な夏日まである秋でした。もう10月だというのに皆さんの気持ちも不安定で俳句にもしずらい季節だったと思います。短い秋はのう少しですが、東京ではこれからが遅い秋ですので冬紅葉を楽しみましょう。

 

9月の点盛りの結果

2点句

鰯雲でっかい声の漁師町

1点句

里帰り道なき道に赤まんま
芋煮会濃口しょうゆにも慣れて
静けさと波の輝き秋の海
紫苑咲く色校正の後の色
幼な子の握る銀シャリ今年米
夕映えにすすきの喋るそそそそそ
紫苑咲く坂を登れば私鉄駅
油絵の雲むくむくと今朝の秋

 

10月の投句一覧

柘榴酒で祝うノーベル文学賞
本当は泣きたい夜もある割れ柘榴
寄席帰り一人笑いに月明り
にごり酒友の愚痴聞く長き夜
千秋楽はねた満月にうさぎ
実石榴や赤色を逃げ自閉せり
柘榴の木見つけあらわに在るを知り
柿落葉実のみならず葉も美味しげに
己に降る落ち葉一億総詩人
渡り鳥みな旅の目をし居るらし
実石榴の庭園和むお茶タイム
鳥の影追えば石榴の竹の庭
木戸の奥あれは石榴と茶室まで
背を越えて実石榴割れる垣の内
色の濃いジュースに石榴健康食

 

次回の投句&選句ご案内リンクなど

オンライン句会はこちらから https://onlinekukai.jimdofree.com/?preview_sid=573194

 

 

9月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

里帰り道なき道に赤まんま

田舎の道は時々草が生い茂り歩きづらいことなどありますね。久しぶりの里帰りだったのでしょうか。赤まんまが茂みに咲いていて秋の情緒を感じた作者の哀愁が感じられます。

母の踏むミシンなつかし曼珠沙華

お彼岸の母の思い出の句のようでもありますが、古いミシンを見つけて懐かしんで詠んだのか、どちらにも読み取れますが、若いころのお母さんの手作りの可愛い洋服が目に浮かぶ心暖まるいい俳句です。

夕暮れを紫苑はじつと待つこころ

秋の小さな野に咲く紫の紫苑が、どこか儚げで夕暮れの似合う情緒のある感じを詠まれたのでしょう。待っているのは紫苑か作者か。あまりにも強い日差しを避けたい花の擬人化なのかも知れませんね。

静けさと波の輝き秋の海

秋は淋しい浜辺の俳句です。夏の賑わいが去った後の海の静かさに波がキラキラと輝いている。賑やかな時には気が付かなかった波の輝きがひときわ目立つ秋の海は美しいですね。ストレートな表現が新鮮に感じる俳句です。

夕映えにすすきの喋るそそそそそ

すすきが夕映えに輝いている光景ですね。芒は葉が鋭く剃刀のように肌を切ることがあるので、儚げですが鋭く怖い剣のような草花ですね。そんな葉っぱのそそそそそという擦れるような音が面白い俳句です。下五の擬音化がどこか楽し気で明るい俳句ですね。

<総評>

秋の句会ですが、まだまだ残暑が厳しいせいか、どこか明るい句が多く感じました。夏の疲れがひしひしと伝わるような句が多いよりもポジティブで楽しい方が元気になりますね。そろそろ秋らしくなるといいのですが、せめて俳句で秋の情緒を楽しみましょう。

 

8月の点盛りの結果

※夏休みで点盛りの結果はお休みです。

 

9月の投句一覧

里帰り道なき道に赤まんま
静けさと波の輝き秋の海
秋茄子や藍色深し旨み出す
幼な子の握る銀シャリ今年米
初鰹炙って叩く旨みなり
紫苑咲く潮の満ち欠け松越えて
ふと風に問えば気が付く花紫苑
あの空き地紫苑の空き地工事中
野に山に空の青より紫苑咲く
紫苑咲く坂を登れば私鉄駅
紫苑香るところへ匂い来る夕餉
紫苑咲く色校正の後の色
夕暮れを紫苑はじつと待つこころ
朝焼けの入り来る刻の赤き部屋
油絵の雲むくむくと今朝の秋
芋煮会濃口しょうゆにも慣れて
母の踏むミシンなつかし曼珠沙華
鰯雲でっかい声の漁師町
夕映えにすすきの喋るそそそそそ

 

次回の投句&選句ご案内リンクなど

オンライン句会はこちらから https://onlinekukai.jimdofree.com/?preview_sid=573194

 

 

8月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

朝顔がしぼんじゃったよ寝坊した!

楽しい口語調の句ですね。寝坊してしまう夏の暑さの疲れが楽しく表現されていて好きな句です。

朝顔の巻き付く格子タフな朝

朝の朝顔は爽やかで美しいものですが、猛暑で残暑が厳しいと秋口の情緒というよりも、まだまだ続く夏に対するタフな朝顔の顔が浮かびます。日射しの強さに萎んで来そうだけれど、まだ朝の内は綺麗に咲いているのかなぁ?楽しい俳句ですね。

野分過ぎ抹茶フロート溶ける午後

台風の季節ですね。こんな季節には午後の安らぎが貴重な時間です。安堵感が感じられる現代のまさに今の俳句ですね。

山深し読経かき消す秋の蝉

蝉は秋になると鳴き方が変わり、蜩や法師蝉になりますが、猛暑が長く続く現代では、まだまだ蝉はみんみん、じいじいと鳴いていますね。そこを「秋の蝉」と詠んでいるところが上手い俳句です。山奥のお寺で読経体験なのでしょうか。奥深いですね。

鳥渡る戦火に消えし城下町

これは他国のニュースか何かでしょうか。自然の変化は人間社会の恐ろしいイザコザをまるで気づかないかのように渡って来るのですね。水辺の風景なのでしょうか。日本の昔の戦火を思いやって詠んでいるのかも知れませんね。いろいろに解釈できる俳句です。

<総評>

今回はまだまだ残暑が厳しく、夏のような毎日なので、俳句では表現しづらい季節でした。又、今年は初夏のころからこの残暑の季節まで、様々なハプニングが多い年となり、句会がスムーズに進まなかったことお詫びいたします。

 

6月の点盛りの結果

2点句

黒南風に裏道あたりなまぬるく

1点句

なんだって出来る気がして梅雨晴れ間
日帰りのいで湯にまったり梅雨晴れ間
梅雨晴れ間大きな欠伸の迷い猫
袖なしのワンピース着る梅雨晴れ間
起ち上る力を持って梅雨の星
腰痛で知る梅雨時の空模様
目的地コンビニだけの梅雨晴間
炎天下配車アプリの返事待ち

 

8月の投句一覧

朝顔がしぼんじゃったよ寝坊した!
朝顔の蔓伸び始めたら一気
影薄し夏と秋とのあいだの雲
朝顔の苗買いそびれ三ヶ月
朝顔の如雨露に沈む蟻一匹
朝風にひらり朝顔におはよう
朝顔の巻き付く格子タフな朝
野分過ぎ抹茶フロート溶ける午後
朝顔のフェンスの垣根ラジオ体操
霧の雨おもてのものは被りけり
山深し読経かき消す秋の蝉
朝顔咲けば毎日が笑顔
朝顔を映すレンズは我の奥に

次回の投句&選句ご案内リンクなど

オンライン句会はこちらから https://onlinekukai.jimdofree.com/?preview_sid=573194

 

5月の主宰出句

5月の主宰出句

投句No1 五月晴いつもあなたがいればいい

投句No2 朝空がみるみる開け五月晴

投句No3めぐる日々あまりに早く五月晴

投句No4町移り木立が変わる五月晴

投句No5空の色移ろいやすく五月晴

4月の主宰出句

4月の主宰出句「 水温む」

1水温むひょんと跳ね飛ぶ水溜り

2両の手の十指に朝の水温む

3水温み朝は晴れ晴れ水仕澄む

4スイッチを入れず蛇口の水温む

5迷い猫くるりと逃げる蜂の音