7月のネット句会

2025年7月の結果(夏の戦第三ステージ)

 

七点句

 

受け継いだ父の歳時記黴くさし        阿部文彦

 

四点句

 

こどもの日ラジオいじる手皺深し          青山好男

ママの手を引いておねだり子供の日            上野貴子

 

三点句

 

羊羹を五つに切りて子供の日            阿部文彦

職退きて鞄に浮かぶ黴の花             阿部文彦

卯の花腐し寺の白砂の痛きほど               龍野ひろし

卯の花腐し恐竜展に子ら集い            原田啓子

子らはみな外国育ち子どもの日           原田啓子

丸刈りの選手宣誓風光る              林己紀男

 

二点句

 

父と子とけん玉競う子供の日         阿部 文彦

近江路や光る山並み光る湖          青山好男

出不精も朝から遠出子どもの日        原田啓子

薫風を走るピンクのヘルメット            水野幸子

鳥二羽来卯の花腐し止む池に         原田啓子

卯の花腐しもう故郷に家も無く        龍野ひろし

菖蒲湯の剣の強さ時を越え          上野貴子

黴匂ふ父の遺愛の革財布           辻 雅宏

赤黴と黒黴住みし風呂場かな         龍野 ひろし

 

一点句

 

子どもの日子ヤギに乳やる三歳児       原田 啓子

遠出してマクドで済ます子どもの日      原田 啓子

けふだけは怒らずゐやう子どもの日      辻雅宏

図書券を紙に包みて子供の日         阿部文彦

浜つ子の仮装行列こどもの日         龍野ひろし

友来訪卯の花腐しの合間みて         原田啓子

ひ孫生まれ足をきゅーんと子供の日      水野幸子

花を手に卯の花腐しの男坂          阿部文彦

一日は卯の花腐しの旅路なり         阿部文彦

甚平着て堅固と顔に書いてみる        秋山正太

断捨離や記憶もろとも黴ぬぐい        田中睦

降れば鬱降らねば恋し夏の雨         田中睦

梅雨晴れ間商店街に笛太鼓          田中睦

バラ線に囲まれ古壁黴となる         上野貴子

新兵器そろえて臨む黴退治          原田啓子

来客の前夜風呂場の黴退治          原田啓子

ピンクのヘルメット「がんばった」と夏    水野 幸子

駄々こねる子が一人いたこどもの日      青山 好男

黴の香もテーマのひとつ資料室         阿部 文彦

古物商カビの匂いも売りにけり        阿部 文彦

蔵の黴昭和平成令和生き           辻 雅宏

父の日や文箱に黴の肥後守          辻 雅宏

保革油で黴遠ざくる登山靴             龍野 ひろし

5月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

<総評>

今回は投句が少なく皆さん何かと慌ただしい季節だったようです。
私も昨年夫を亡くしてから何かと大変で丁度この春に相続関係の手続きの節目を迎え、そして、5月には一周忌となり、皆様には大変ご迷惑をお掛け致しました。

オンライン句会が手薄になってしまったためなかなか投句が集まらず四苦八苦しております。

来月からは、また何とか心を落ち着かせて、新たな気持ちで取り組みたいと思いますので、皆様、これからもどしどしご応募のほどよろしくお願い致します。

 

4月の点盛りの結果

1点句

花影の湯に溶けてゆく日々の憂さ
卯の花腐し山間の拓けて別れ道
山笑ふ女体居並ぶ露天風呂
卯の花腐し人生は大波小波
移りゆく時惜しむ午後花曇り
歩き出す無人駅から燕飛ぶ
卯の花腐しポストに年金定期便
濃い薄い新茶か古茶か季節ゆく
コーヒーを淹れて卯の花腐しかな
山間に白く点れば卯の花腐し

5月の投句一覧

端午の節句風やわらいで時移る
鯉幟大きな口が空を呑む
傘忘れ走る駅前五月雨
藤の山隧道潜り海が呼ぶ
花菖蒲もののふの影偲び咲く
桐草履陽気に鳴るわね五月晴れ
虹色の朝露まとい天空へ
ぎこちない夫の献身銀婚式
五月晴れ機影直進点となる
新緑を描くに足りぬ絵の具箱
子もネコの手も総動員田植え時
新緑と古民家カフェと旧き友
思い出の境内に立つ白日傘
旧姓で呼ばれ戸惑う若葉風

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3月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

<総評>

今月は投句が少なく残念です。年明けは私が喪中で大変な時期だったので、どうも皆様の投句も少なかったようです。徐々に持ち直すよう願います。

 

2月の点盛りの結果

1点句

燕来る小さな駅のホームにも
ランナーを見守る桜一分咲
春一番吹かれ立ち向かい大笑い
この場所にまた来ているねつばくらめ
抜け道を知っているのか燕来る
風を背に闊歩する我つばくらめ
氷上に立つ子と戯れ湯気が立つ
晴天に黒き矢印つばくらめ
時刻表見上げる先に燕来る
燕来る今日はマラソン日和なり

3月の投句一覧

東風吹いて洋服選ぶ迷う朝
花見酒見知らぬ一とも「かーんぱい」
いつ咲くや気持ち急かせる花便り
桜草ものいいたげにほろりはらり
強東風やもつれ乱れしロングヘアー
風に舞う桜の花びらスローモーション
老木や幹にひっそり咲く桜
通学路ゆく児卒業桜草
春の旅台南街の鉄窓花
舞う桜甘き記憶のワンシーン
九十九里白波寄せる桜東風
桜草小さな小鉢買い帰る
ささやかに祝う米寿の三月尽
親離れおたまじゃくしの川のぼり
目黒川桜花に集う花の宴
桜草濃いも薄いもピンク色
銀世界箱根連山包みおり
耳澄ます木々の芽吹きの聞こえる日
城南宮小雨に煙る枝垂れ梅
欄干や枝垂れる枝の桜咲く
笑顔には迷いが消えて桜草

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1月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

全力走連凧空へ日本晴れ

お目出度いお正月らしい俳句ですね。「凧」は春の季語ですがこの句を詠めば「凧揚げ」の句でいいと読み取りました。今はもう2月で暦の上では春ですが、投句されたのは先月なので、当季で新年の句ですね。

ボロ市の店多くなり人の波

世田谷名物のボロ市の句ですね。まるでイモ洗いのような人混みで有名な季語「ボロ市」ですが、世田谷線の駅を降りて少しづつボロ市通りに近づく様子を詠まれたのかな。同時に人の波が怒涛のように押し寄せて来る賑やかな様子が年末年始のいい句ですね。コロナ禍以降の賑わいを詠まれていて楽しい俳句です。

キャンパスは試験の静寂春隣り

ちょうど当季そのものですね。年が明けるとお受験世代の学生たちは毎日緊張が続いていつの間にか春がそこまで来ている正念場です。共感が持てる秀句です。

また一年無沙汰を詫びる年賀状

まったくそのとうりですね。一年の始まりに安否の確認でいつものご無沙汰を詫びるめったに会えない知人や遠い親戚とせめて年賀状くらいはと、そんな年のはじめの風物詩です。

数の子の塩抜き筋取り手を借りて

数の子はお節料理に欠かせないお正月料理です。ついつい出来合いの物を買ってしまいますが、筋を取るには一苦労ですね。お手伝いしてくれる娘さんと楽しい年用意の俳句に感じます。

<総評>

お正月はやはりお目出度い句がいいですね。今年は何かと忙しなく過ごしてしまいましたが、昨年のような大災害が起きずにどうにかお正月が過ごせてほっとしています。楽しい俳句が多くて良かったです。今年こそは巳年にあやかっていい脱皮の年にしたいですね。

 

12月の点盛りの結果

2点句

キャンパスに黄金色なる落葉舞い

1点句

母宛ての葉書数える去年今年
軒下に葉牡丹は陽を散りばめて                         数へ日や何度も見直すカレンダー
靴下を下げてサンタの来る日待つ
数へ日や予約しようか美容院
貰い受けし葉牡丹ひやり縁の下
葉の渦を葉牡丹として春を待つ
日を浴びて散らぬ葉牡丹どつしりと

1月の投句一覧

毛の先の乱れを直す筆始め
全力走連凧空へ日本晴れ
側道の椿の花や赤々と
新しく筆ペン揃え筆始め
初詣徒歩10分の腹ごなし
今場所は綱取りかかる人見つめ
一文字を一糸乱れず筆始
初春や憂いも溶かす露天風呂
ボロ市の店多くなり人の波
息を呑み震え押さえて筆始
キャンパスは試験の静寂春隣り
ボロ市や車椅子では進めない
筆始め俳句初めの夕間暮れ
また一年無沙汰を詫びる年賀状
数の子の塩抜き筋取り手を借りて

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12月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

軒下に葉牡丹は陽を散りばめて

葉牡丹が咲く古風なお宅が目に浮かびますね。なかなか花の無い冬の庭の自然な風景で素敵ですね。

公園へ来て葉牡丹と会う日和

公園などに冬の花とっして綺麗に整えられた葉牡丹を東京などではよく見かけます。
暖かな冬のうららかな一日のお散歩でしょうか。素敵な冬日和ですね。

貰い受けし葉牡丹ひやり縁の下

葉牡丹の葉が寒い北風に晒されてひんやりとしている淑気のようなものを感じますね。縁の下があるお宅は何だか珍しい気がする時代ですね。

キャンパスに黄金色なる落葉舞い

落葉が綺麗な夕暮れ時が思い浮かびます。写生のキャンパスを三脚に立ているのでしょうか。銀杏落葉なのだと思いますね、東京の風景でしょうか。

日を浴びて散らぬ葉牡丹どつしりと

ずっしりとした貫禄のある葉牡丹の句ですね。葉が開いて色が変わり散るような気がしても散ることはなく長持ちします。かなり春先まで持ったりしますね。葉牡丹から菜の花が咲くこともあることを上手く詠まれた楽しい句です。

 

<総評>

今回は葉牡丹の写生句に近い句が多かった気がします。俳句の基本ですからいい事ですが、お題の描写を越えた作者の想いが読みとれる句が詠めるとかなりレベルが上がって面白いです。今年はそんな自分の言いたい想いを込めて俳句を詠んでみることをお進めします。

 

11月の点盛りの結果

2点句

高千穂峡錦秋見上げ小舟漕ぐ
初時雨両手で包むティーカップ
山道を踏みしめている秋麗(あきうらら)
境内の落ち葉集めて描くハート
初時雨部屋着のままのカフェオーレ

1点句

露天風呂鼻歌漏れて星月夜
旅人と足跡重ね初時雨
ぐずぐずとゆく生涯や初時雨
もどかしや剥けそで剥けぬ衣被(きぬかつぎ)
初時雨捲り忘れたカレンダー

 

12月の投句一覧

母宛ての葉書数える去年今年
葉牡丹のカラフルになり茎伸びる
軒下に葉牡丹は陽を散りばめて
数へ日や何度も見直すカレンダー
陽の方へプランタ乗り越え葉牡丹
公園へ来て葉牡丹と会う日和
数へ日や予約しようか美容院
プランタの主役陣取り葉牡丹咲く
貰い受けし葉牡丹ひやり縁の下
数へ日や菊花茶(きくかちゃ)の香にひと呼吸
葉の渦を葉牡丹として春を待つ
日を浴びて散らぬ葉牡丹どつしりと
キャンパスに黄金色なる落葉舞い
葉牡丹を植える手袋厚きゴム
葉牡丹の等間隔の地中まで

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11月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

高千穂峡錦秋見上げ小舟漕ぐ

秋が遅くて短いこの頃ですが、そんな短い秋の紅葉の素晴らしい景色が目に浮かぶ秀句です。秋も深まり東京ではこれからが黄葉の季節ですね。

露天風呂鼻歌漏れて星月夜

星月夜の季語が最後の下五で絶景の美しい句に仕上げていて素敵な俳句です。気持ちよさそうな作者の気持ちがよく解ります。

山道を踏みしめている秋麗(あきうらら)

山道を歩いている作者の姿が浮かびます。トレッキングでしょうか。山は不思議な力で人を引き付けて秋のよいお天気の日の森林浴の心地よさが伝わります。

境内の落ち葉集めて描くハート

ハートの形の落葉もありそうですが、そんな落葉そのものを集めてハートの形を描いているのですね。優しい住職さんなのでしょう。楽しい素敵なお寺さんの句です。

初時雨部屋着のままのカフェオーレ

寒くなり始める初冬の季語に部屋着のままという面白いスチエーションです。カフェオーレはホットだと思いますので、はっきりしないお天気なので、ふらっと外に出たけれど時雨にあってカフェで一休みしているのかな。朝、起きぬけの朝時雨の句と読む方がいいかも知れません。ドラマがあって面白い句です。

<総評>

秋も深まりとうとう東京でも紅葉がはじまった今年の初冬らしい絶景の句が多かったです。美しい自然は人の心を癒してくれますね。自然災害の多い最近ですが、何とか美しい観光地の景色がそのままに残されたらいいです。

 

10月の点盛りの結果

2点句

柘榴酒で祝うノーベル文学賞
鳥の影追えば石榴の竹の庭
背を越えて実石榴割れる垣の内

1点句

実石榴の庭園和むお茶タイム
本当は泣きたい夜もある割れ柘榴
木戸の奥あれは石榴と茶室まで
にごり酒友の愚痴聞く長き夜
千秋楽はねた満月にうさぎ
渡り鳥みな旅の目をし居るらし
色の濃いジュースに石榴健康食

 

11月の投句一覧

高千穂峡錦秋見上げ小舟漕ぐ
初時雨両手で包むティーカップ
実る穂やキャンパスは田の大谷クン
境内の落ち葉集めて描くハート
米不足殊更敬う新嘗祭
露天風呂鼻歌漏れて星月夜
秋天に溶ける機影の銀の腹
山道を踏みしめている秋麗(あきうらら)
もどかしや剥けそで剥けぬ衣被(きぬかつぎ)
初時雨部屋着のままのカフェオーレ
吾の留守父母は家中に初時雨
旅人と足跡重ね初時雨
ぐずぐずとゆく生涯や初時雨
ぽつねんと石の個性や秋の径
一日寝しゅわと消え行く数え日を
足ばやに傘など持たず初時雨
初時雨帽子で弾く朝の町
気が付けば何時しか長袖初時雨
こんな時急ぎの用事初時雨
初時雨捲り忘れたカレンダー

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