4月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

手を合わすお地蔵様の顔に蜂

お地蔵様は可愛いですね。作者がお地蔵さまに手を合わせているとそのお地蔵様の顔に蜂が来てとまったという俳句ですね。5月は子供の日があるので、なおさらお地蔵様が気になります。お祈りする作者の優しさが感じられます。

No2ブロック

願かける音羽の滝の水温む

滝の水は夏には冷たくて涼しいのですが冬は厳しくその水が春になり少し温くなるという俳句は珍しいですね。清水寺の音羽の滝の水を飲みに行かれたのでしょうか?面白いです。

No3ブロック

よちよちと小雀一羽駐車場

とても可愛らしくて微笑ましい句です。都会では意外に自然が残る駐車場に子雀が来ている姿が楽しいです。優しい俳句ですね。

No4ブロック

房総の潮風うける花見酒

お花見に一杯、千葉の海と桜の絶景ですね。どこのお花見でしょうか館山かな?九十九里あたりでも海沿いに河津桜が美しい街道がありお花見で賑わっていますがその辺なのかなぁ?素敵な俳句ですね。

No5ブロック

水温むをのこもすなる厨ごと

はるになって、今の時代は男子でもグルメな人は自分でなんでも料理しますね。男性の方が上手いことも多いです。コックなのかな?

<総評>

春らしい句が多くて選句も楽しいですね。桜の開花が遅かっただけに花見の時期が長く、雨の花や花吹雪や桜蕊のはいくなど、いつもより様々な角度から桜や春の句を詠むことが出来たと感じました。

 

4月の投句一覧

旅先の水温む朝ししおどし
手を合わすお地蔵様の顔に蜂
ため息も吹きこみ青きシャボン玉
水温む虚像に笑みを促され
新樹蔭(かげ)病の癒えて深呼吸
水温むひょんと跳ね飛ぶ水溜り
願かける音羽の滝の水温む
平穏な日々に感謝の花見酒
春愁の守り袋を結直す
此はもはや空気のように水温む
水温む飛沫(しぶき)とばして洗う顔
両の手の十指に朝の水温む
銀閣寺侘び寂びの中さくら色
一年生制服の袖手を隠す
蟇穴を出て歪みたる鏡かな
水温む血肉温むは今すこし
よちよちと小雀一羽駐車場
水温み朝は晴れ晴れ水仕澄む
まぁだだよ今年の桜かくれんぼ
房総の潮風うける花見酒
軒先に猫が住みつく菜種梅雨
思春期の跡に染みるか水温む
囲碁教本父の書き込み紙魚(しみ)の跡
スイッチを入れず蛇口の水温む
ほっと一息し週末の夜桜
草萌ゆる復興祈るコンサート
水温むをのこもすなる厨ごと
溜め池に藪蚊の憩い水温む
五月雨てどこに忘れたジャンプ傘
迷い猫くるりと逃げる蜂の音

(4月末〆切り分)

3月の点盛りの結果

 

4点句

初桜待ちくたびれて開く宴

3点句

みどり児の光さす方初桜

2点句

初桜ひとつ前の停留所
駘蕩と野草商う野猿園
初桜見るたび思う過ぎし日々
初桜歩みも時もフリーズして

1点句

買ってこい辛口清酒桜餅
雨の町切なく淡く初桜
初桜すりきずほどの傷心も
10年の時を耐え抜き初桜
医院訪う多くのひとの初桜
灯されて沼暗くなる初桜
われ二度目母には初の桜かな
恋猫のわたしはシャミという名前
夕べまだ莟のままで桜待つ
初桜くぐり今年の記念とす

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3月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

初桜ひとつ前の停留所

桜が咲き始めるとつい行き先を変えていつもとは違う停留所でありて桜並木を歩いているのでしょうか。そんな作者が思い浮かびます。今年は開花が遅かったので待ち遠しくてやっと咲いた桜が嬉しい句ですね。共感します。

No2ブロック

初桜待ちくたびれて開く宴

お花見の句ですね。まったく今年の桜は待ちくたびれました。作者の気持ちがストレートに解り易く表現されていて楽しいお花見が目に浮かびます。

No3ブロック

医院訪う多くのひとの初桜

病院への通い路に桜がやっと咲いたのですね。沢山の人が行き交う病院のようで、私もよくこの時期に定期検診に世田谷の桜並木を通っていたことを思い出します。

No4ブロック

みどり児の光さす方初桜

可愛い赤ちゃんの笑顔に桜が咲いて笑っている様子でしょうか。暖かな春の日射しが感じられる素晴らしい俳句です。

No5ブロック

初桜くぐり今年の記念とす

やっと咲き始めた桜の枝を潜り今年もお花見の宴につくのか席を取るのか、手に取るように枝に咲き始めた桜が美しい姿が浮かぶ秀句ですね。

<総評>

桜のお題でしたので、やはり美しい俳句が多く、今年は開花が遅かったことが俳句からも読み取れます。東京の開花は29日でしたので、ちょうどお題にあって詠み易かったのかもしれませんね。芭蕉が「奥の細道」の旅に出たのが弥生27日頃と言います。その頃は桜が満開で江戸時代でも美しい花の季節の旅立ちだったようです。今年はまさにそんな初桜の時期でした。

 

3月の投句一覧

買ってこい辛口清酒桜餅
雨の町切なく淡く初桜
初桜すりきずほどの傷心も
初桜ひとつ前の停留所
麗らかやゆっくりの登るモノレール
10年の時を耐え抜き初桜
初桜つまらぬ地にも嬉しきかな
初桜待ちくたびれて開く宴
駘蕩と野草商う野猿園
今どこに誰が呼ぶのか初桜
医院訪う多くのひとの初桜
初桜見るたび思う過ぎし日々
灯されて沼暗くなる初桜
ひととせのひと昔なり初桜
われ二度目母には初の桜かな
みどり児の光さす方初桜
恋猫のわたしはシャミという名前
夕べまだ莟のままで桜待つ
初桜くぐり今年の記念とす
初桜歩みも時もフリーズして

(3月末〆切り分)

2月の点盛りの結果

 

3点句

鶯のケキョで出発始発駅
猿山のボスの交代春一番
スマホ置き小説開く春の宵

2点句

鶯の笛かと日光杉の森
ジム帰りあがる呼吸に山笑う

1点句

鶯もルーキーらしき初音かな
閉校の決まりし母校卒業歌
味噌汁に浮かべた菜花ほろ苦し
まだ姿見せず目白の緑濃く
ホーホーホー初々しくも鶯か
二十分耳澄ませての初音かな
初音かと筝曲の音か池の鯉

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2月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

鶯もルーキーらしき初音かな

ルーキーという言葉が清々しい早春のお題に合っていてとてもいい句ですね。「鶯」と「初音」が季重なりですが意味が解り易いのでいいと思います。

No2ブロック

鶯の忍ぶ山樹に谺せり

鶯がこだまする山間や田舎の森や林で姿が見えずつい探してしまうことがよくあります。風流で上手くまとめられた句です。

No3ブロック

猿山のボスの交代春一番

春は出会いと別れ、人生の悲喜こもごも、会社なら転勤や昇格の季節ですね。猿山にもそんな人生の厳しい競争があるのでしょうか。春一番の季語が効いています。

No4ブロック

居の近く初音をやがて聞き慣れり

鶯が庭にも降りてくる鳥ですね。初々しい楽しそうな声がいつの間にか朝の日課のように囀り始める季節が関東でも、もう目の前だと感じます。

No5ブロック

還暦も古希も過ぎけり二月尽

二月が過ぎれば春本番。人生の春はもう過ぎて長寿の祝がひとつづつ思い出されるのでしょうか。長生きは何より幸せですね。

<総評>

今回は春のお題なので、明るい爽やかな句が目立ちました。「鶯」は春から夏まで各地でよく鳴いていますが、意外に気が付かないでいることも多い忙しない毎日です。まだ少しお題には早い時期だったかも知れませんが、そろそろうららかな日には囀りの中に鶯が聞こえてくる季節ですね。


2月の投句一覧

鶯のケキョで出発始発駅
鶯もルーキーらしき初音かな
競うかに鶯の多々庭の先
鶯の声がしたよなしないよな
閉校の決まりし母校卒業歌
味噌汁に浮かべた菜花ほろ苦し
鶯の忍ぶ山樹に谺せり
鶯の笛かと日光杉の森
猿山のボスの交代春一番
友偲ぶ満面の笑みと菜の花と
鎌倉にうぐいすの寺其処彼処
まだ姿見せず目白の緑濃く
鶯やあの娘この息子もお年ごろ
スマホ置き小説開く春の宵
居の近く初音をやがて聞き慣れり
ホーホーホー初々しくも鶯か
還暦も古希も過ぎけり二月尽
ジム帰りあがる呼吸に山笑う
二十分耳澄ませての初音かな
初音かと筝曲の音か池の鯉

(2月末〆切り分)

1月の点盛りの結果


2点句

雑煮餅四角く膨れ焦げ丸く
三日目の雑煮の餅のふやりとす
完敗の母校横目に雑煮喰い
すくすくと育てと年玉並べたり
初詣異国の言葉聞きながら

1点句

年毎に数の減りゆく雑煮餅
お雑煮のおかわり嬉し少し酔い
日本酒を御猪口に空けて雑煮締め
二日目の雑煮煮詰めてニュース見る
去年薄め今年濃いめの雑煮かな

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1月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

譲り合う様で取り合う雑煮かな

お雑煮を鍋に作るのが我が家ですが、きっと幾つ食べるかお母さんに聞かれておかわり出来るか御餅をたすかなんて家族で楽しいお正月の俳句ですね。

No2ブロック

義母白寿雑煮の餅はサイコロ大

九十九歳のお祝いは目出度いですね。人生百年時代のお手本です。お餅を食べられるほど元気で素晴らしい。素敵なお嫁さんの俳句ですね。

No3ブロック

完敗の母校横目に雑煮喰い

箱根駅伝でしょうか。サッカーも冬にありますが、お正月のお雑煮がさめてしまいそうな感じが伝わるので、駅伝かなぁ?残念ですが楽しい俳句です。

No4ブロック

すくすくと育てと年玉並べたり

子供のお年玉は可愛いですね。玉のお金で渡していた時代が懐かしくなる句ですね。今はお年玉袋にお札ですから、頂いた子のお母さんの句なのかも知れません。

No5ブロック

初詣異国の言葉聞きながら

コロナ禍以後に規制が解けて徐々に海外からの観光客の姿が増えて来ました。都会では特によく見かけますね。日本語に混じってさまざまな国の言葉が行きかうようになり活気に溢れる様子が解り嬉しい俳句です。

<総評>

今年は一日から能登半島地震があり、驚く大災害となってしまいましたね。有名な観光地が被害にあいみるみる崩壊してしまう姿は胸が痛むばかりです。そんな今年のお正月だっただけに、少し投句が少なく、残念でした。今月はもう立春です。気を取り直して新たな自然の目覚めを喜びたいです。

 

1月の投句一覧

雑煮餅四角く膨れ焦げ丸く
譲り合う様で取り合う雑煮かな
年毎に数の減りゆく雑煮餅
お雑煮のおかわり嬉し少し酔い
三日目の雑煮の餅のふやりとす
義母白寿雑煮の餅はサイコロ大
日本酒を御猪口に空けて雑煮締め
完敗の母校横目に雑煮喰い
施設では雑煮出たかと母想う
二日目の雑煮煮詰めてニュース見る
雑煮食う国の覚悟に染まるなり
すくすくと育てと年玉並べたり
朝市の輪島懐かし能登惜しむ
去年薄め今年濃いめの雑煮かな
初詣異国の言葉聞きながら

(1月末〆切り分)

12月の点盛りの結果


2点句

雪兎どこからが道か聞いてみる
また来るね握る母の手冬日和
赤き実をさんざ探せり雪兎
今年また年賀状書く有難さ
十箱の本断捨離す小晦日(こつごもり)

1点句

プチケーキ母と分け合う聖夜かな
祖母の家籠り真ん丸雪うさぎ
夫(つま)と行く宇治の河原に雪兎
雪猫に雪犬隣り雪兎
雪うさぎ名の無さそうな瞳をし

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12月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

プチケーキ母と分け合う聖夜かな

プチケーキは可愛いですね。アマンドのエクレアや銀座コージーコーナーなど、食べやすさが人気で親子には最適ですよね。何種類も沢山選べる楽しいクリスマスの様子と、恋人同士のロマンチックなイブとは違う親子の愛を感じる句です。

No2ブロック

また来るね握る母の手冬日和

クリスマスは聖母マリア様を思い出すものですね。また、年末年始の年の瀬のせわしなさに切なさやまた新しい年が来る期待との入り混じった感じが素晴らしい俳句です。

No3ブロック

赤き実をさんざ探せり雪兎

雪兎にはやっぱり赤い実の目を入れなければそれらしくないという雪の日の楽しさが伝わり微笑ましい句です。

No4ブロック

今年また年賀状書く有難さ

これはよく解ります。一枚一枚感謝しながら、そして、年末の行事のように恒例で家中が忙しい中にも嬉しさを感じる俳句です。

No5ブロック

十箱の本断捨離す小晦日(こつごもり)

これは本当のことだとしたらスゴイですね。十箱で重箱ではないので、大掃除とは言えものすごい量ですから、よほどの読書家の方かなぁ?兎に角、スゴイ年末らしい句ですね。

<総評>

年末年始はとても忙しく皆さん時間に追われながら投句して下さりありがとうございました。2024年はものすごい災害のニュースで始まってしまいましたが、何とか今年も宜しくお願い致します。

 

12月の投句一覧

雪兎どこからが道か聞いてみる
雪兎住宅街を鳴き澄ます
プチケーキ母と分け合う聖夜かな
雪達磨君とならんで雪兎
祖母の家籠り真ん丸雪うさぎ
また来るね握る母の手冬日和
近所の子遊んだあとに雪兎
赤き実をさんざ探せり雪兎
夫(つま)と行く宇治の河原に雪兎
何の葉を耳にしましょか目にしようか
雪猫に雪犬隣り雪兎
今年また年賀状書く有難さ
こんな日に電車ストップ雪兎
雪うさぎ名の無さそうな瞳をし
十箱の本断捨離す小晦日(こつごもり)

(12月末〆切り分)

11月の点盛りの結果


2点句

あと何分バス待つ空に昼の月
石畳足元冷たき朝時雨

1点句

窓の外帰り支度も夕時雨
オルゴール博物館の小夜時雨
公園に時雨の後の雀鳴く
寒暁や窓より望む青瓦台(せいがだい)
時雨にて立ち寄る店に探し物
忽ちに時雨上がれば群れ雀
まだ暗き市場の朝に息白し
読みかけの本を取り出す夕時雨
下北の駅前時雨弾き語り
夕時雨駅前通りの人無言
待ち合わせすっかり忘れ片時雨

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11月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

あと何分バス待つ空に昼の月

昼の空の白い月が冬めいてきた空に寒々しく見える町の風景ですね。慌ただしく時計を見る作者の気持ちが伝わります。

No2ブロック

オルゴール博物館の小夜時雨

面白い句ですね。季語が効いてます。オルゴールは可愛らしい音色でなっているのでしょうか。夜の時雨はどこか寂し気で物憂い感じが博物館の広さを物語っているようです。

No3ブロック

時雨にて立ち寄る店に探し物

急に小雨が降ったり止んだりで、はっきりしない天気につい何かを忘れてしまったのでしょう。立ち寄った店にその探し物がないのは当然急な事だからなのでしょうが、何となく面白いですね。

No4ブロック

まだ暗き市場の朝に息白し

白い息が朝の寒さを表現しています。市場の朝は賑わいが行き来して、人の蠢きの狭間でふと息の白さに気が着いて冬になった事を感じた句ですね。上手く整っています。

No5ブロック

待ち合わせすっかり忘れ片時雨

「片時雨」天気雨のような晴れている場所と時雨の場所とが両方見えるときの季語ですが、あまり使われない珍しくて面白い季語を見つけられましたね。なんとなく不安定な天候に待ち合わせを忘れてしまったというところが俳諧味があって楽しいです。

<総評>

今回はお題の「時雨」が不安定な天候の季語なので、何となく不安な感じと、面白いユーモアとが入り交り、ペーソスというかアンニュイというか、意外に面白い句が多くていいお題だと思いました。ドラマが生まれそうな秀句が多かったです。


11月の投句一覧

起き抜けや時雨の朝の風呂に入る
朝時雨どうやら今日は傘がいる
あと何分バス待つ空に昼の月
窓の外帰り支度も夕時雨
オルゴール博物館の小夜時雨
小夜時雨バックに書類押し込めて
旅に出てソウルの空に凍(い)つる月
石畳足元冷たき朝時雨
公園に時雨の後の雀鳴く
時雨れるを小走りにランドセル通る
寒暁や窓より望む青瓦台(せいがだい)
時雨にて立ち寄る店に探し物
時雨粒平和の祈り掠め落つ
忽ちに時雨上がれば群れ雀
まだ暗き市場の朝に息白し
読みかけの本を取り出す夕時雨
下北の駅前時雨弾き語り
夕時雨駅前通りの人無言
行く年や積み残したる悔い多し
待ち合わせすっかり忘れ片時雨

(11月末〆切り分)

10月の点盛りの結果


3点句

名作の言葉身に入む読書会
身に入むや西日に染まる母の頬
駅を背に家の灯までの月明り
満ち欠けに雲の舟浮く月明り

2点句

カーテンの影に黒猫月明り

1点句

後の月見えるだろうかビル狭間
もう一度遠回りしてワンカップ
定年や紅葉且つ散る褪(あ)せぬまま
紅葉且つ散りつつ映える水面かな
ぼんやりと影に越されて月明り
夜の雲薔薇色に染め小望月

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10月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

名作の言葉身に入む読書会

読書の秋ですね。綺麗にまとめられたいい句ですね。名作のタイトルが聞きたくなります。

No2ブロック

身に入むや西日に染まる母の頬

下五に作者の愛情が滲み出ていて優しい句ですね。どこかのんびりした午後の日向ぼっこを思い出します。郷愁を誘いますね。

No3ブロック

定年や紅葉且つ散る褪(あ)せぬまま

いつまでも色褪せることのない思い出が定年を迎えた作者の心に蘇り紅葉の季節の切なさと上手く相まって素敵な俳句ですね。

No4ブロック

紅葉且つ散りつつ映える水面かな

水面に咲く花のように赤く散る紅葉が目に浮かびます。風情があって素晴らしいです。水鏡に映る紅葉と散る紅葉がどちらも美しいようすがよく解ります。

No5ブロック

カーテンの影に黒猫月明り

黒猫がカーテンにじゃれている姿が愛らしくふわふわとひらめいていていて、影なのかカーテンなの解らずにいるところがまた愛嬌がありますね。

<総評>

今回は月のお題でしたので、このところの長い夏で、少し詠みずらい時期だったかも知れません。温暖化では季題も難しくなってしまいますね。

 

10月の投句一覧

後の月見えるだろうかビル狭間
人気無き院内ほそり月明り
名作の言葉身に入む読書会
もう一度遠回りしてワンカップ
昼餉食う地球の裏の月明かり
身に入むや西日に染まる母の頬
駅を背に家の灯までの月明り
月明に溶けるenvyもjealousも
定年や紅葉且つ散る褪(あ)せぬまま
満ち欠けに雲の舟浮く月明り
月明り夜の病棟を物にする
紅葉且つ散りつつ映える水面かな
ぼんやりと影に越されて月明り
カーテンの影に黒猫月明り
夜の雲薔薇色に染め小望月

(10月末〆切り分)

9月の点盛りの結果


2点句

無花果や両手いっぱいお裾分け
竹の春八幡跡のコンビニに
還暦を迎えて期する竹の春
窓開けて眠る今宵や竹の花

1点句

竹春や還暦過ぎて空青し
道端の無花果熟れし香よし
地蔵堂風のさわわと竹の春
月餅を月に見立てて茶会かな
野良猫の横切る先は竹の春
隧道を越えて故郷竹の春
竹の春全てを忘れ青々と

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9月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

無花果や両手いっぱいお裾分け

懐かしい田舎の光景が目に浮かび素敵な俳句です。昔は庭の隅に無花果の木があってよく子供おやつにもいで食べたものです。お隣から頂いたりあげたりで近所付き合いが楽しかったものですね。

No2ブロック

竹の春八幡跡のコンビニに

竹林が切り開かれて新しくコンビニが出来ているのでしょうか。どこの町でもコンビニは沢山あって、駐車場がひろいので、新興住宅の神社の跡にあったりするかも知れませんね。どこか楽しい俳句です。

No3ブロック

月餅を月に見立てて茶会かな

お月見の句ですね。今年は29日でもう過ぎましたが、長い夏がやっと少し涼しくなったばかりで夕涼みがてらのお月見でした。忙しなく月を眺めるくらいがやっとですが、お茶会を催して月のお菓子を頂くなんて素敵ですね。昼の会なので見立てるのか、雨月なのか、無月なのか、どこかユーモラスで楽しいところがいい句です。

No4ブロック

還暦を迎えて期する竹の春

還暦は人生の節目です。竹のように早く成長して親竹と並ぶという訳にはいかない年ですが、人生百年時代を生き抜くには、還暦で赤いちゃんちゃんこはもう古いようですね。いよいよこれからというような竹の春の秀句です。

No5ブロック

窓開けて眠る今宵や竹の花

竹の春どころか竹の花を詠まれた面白い句ですね。竹は花がめったに咲かない植物で60年から120年に一度一斉に咲いて枯れてしまうと言います。その後は10年から15年かかり種が大きく育ちもとのように戻るのだそうです。不吉な縁起の悪い花だと言われるのは、その為なのだそうですが、2019年のコロナ禍のはじまりあたりから未だに各地で咲いているようです。あまりに長いサイクルの植物ですが、枯れた後には種が残りまた竹が生えてくるというところがスゴイです。何だかいつもとは違って見納めなのでしょうか?私はまだ見たことが無いのでこの気持ちわかる気がして面白い俳句ですね。

<総評>

今月は難しいお題だったのですが、いい句が多くて勉強になりました。竹は季節も逆だし、親を追い抜く出世の謂れがるかと思えば、花には不吉な謂れもあるのですね。食べれば美味しいのですが、日本的な情緒を京都などで味わうと、いろんな竹の性質は二の次で、古風なイメージに浸りたいような植物です。冬に雪にしなるような竹林も日本のイメージにはぴったりですね。

 

9月の投句一覧

竹の春ここを越えれば駅の町
竹春や還暦過ぎて空青し
鬱蒼と公園裏の竹の春
無花果や両手いっぱいお裾分け

夕焼けが褪せて哀しく鴉鳴く
秋高し片手に薄きカーディガン
竹の春八幡跡のコンビニに
道端の無花果熟れし香よし

地蔵堂風のさわわと竹の春
月餅を月に見立てて茶会かな
野良猫の横切る先は竹の春
夕暮れの廃家の庭に竹の春

隧道を越えて故郷竹の春
竹の春熱き議論も画面越し
兵の影入る茂み竹の春
還暦を迎えて期する竹の春

還暦を過ぎても娘竹の春
窓開けて眠る今宵や竹の花
竹の春医院は深き藪の中
竹の春全てを忘れ青々と

(9月末〆切り分)

8月の点盛りの結果


3点句

流星や路面電車の消える町
シート敷き息のみ待つや流星群

2点句

移り行く夜風に流星が落ちる
寝苦しく見つめる闇を星が飛ぶ
流星や宇宙の彼方指さして
神殿は遠い昔の星の地図
いわし雲カモメの艦隊伊根の海
天気図の日本列島赤まんま

1点句

幼き日まぶたに浮かぶ流れ星
流れ星おとぎ話の母の声

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8月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

流星や路面電車の消える町

路面電車のある町に住んでいる私は、これはもう無くなるという意味ではなくゆるやかにカーブして町の中に消えてゆくのだと読み取りました。終電でしょうか。夜の町と一瞬の流星がロマンチックな素敵な句です。

No3ブロック

流星や宇宙の彼方指さして

可愛いお子さんを詠まれているのでしょうか。大人でも流れ星を指さすことはありますのですんなり共感しました。とっても素直な素晴らしい俳句ですね。

No4ブロック

いわし雲カモメの艦隊伊根の海

伊根の海はやはり舟屋の辺りの湾岸でしょうか。美しい海にカモメが群れを成している空には秋のいわし雲が広がるという絶景ですね。海と空の対比が素晴らしい美しい句です。

No5ブロック

天気図の日本列島赤まんま

思わず上手いと拍手しちゃいますね。猛暑が厳しい毎日で天気予報の色分けが、毎日真っ赤だということを「赤まんま」とかけているとは。お赤飯のようにお目出度いといいのですが、厳しすぎますよね。

シート敷き息のみ待つや流星群

夜空の星をシートに寝転がってみているのでしょうか。高原などではこうした経験がありますが、流星群が見えるタイミングが待ち遠しい気持ちが上手く表現されている素敵な句です。

(今回は2ブロックなし5ブロック2句のイレギラーでした。)

<総評>

お題のイメージがロマンチックなので、素敵な句が多かったようです。願い事を祈る瞬間の切なさや楽しさが複雑な想いとしてそれぞれの俳句の中に自然に詠み込まれていて読んでいて心躍る感じがしました。まだまだ暑い毎日ですが元気にご健吟下さい。

 

8月の投句一覧

流れ星何祈ろうか追い付かず
流星や路面電車の消える町
幼き日まぶたに浮かぶ流れ星

移り行く夜風に流星が落ちる
解夏(げげ)の駅富山ブラック塩辛し
流れ星おとぎ話の母の声

寝苦しく見つめる闇を星が飛ぶ
鳰(にお)の海巨神の如き処暑の雲
流星や宇宙の彼方指さして

神殿は遠い昔の星の地図
いわし雲カモメの艦隊伊根の海
流れ星幾千万の願い乗せ

幻の極楽探し星が飛ぶ
天気図の日本列島赤まんま
シート敷き息のみ待つや流星群

(8月末〆切り分)
7月の点盛りの結果


2点句

昼並みの製氷機鳴る熱帯夜
風鈴も猫も動かぬ軒の下
ラジオから意外な懐メロ熱帯夜
熱帯夜冷たき場所を探る足

1点句

寝入りばな麻の手触り熱帯夜
寝返りでさえ煩わしい熱帯夜
熱帯夜解けぬ問いが駆けめぐり
熱帯夜ハッカ油の母の知恵
熱帯夜吾子の寝姿目がまわり
「ひと夏の恋」という名の冷酒飲み
熱帯夜祖母の思い出高地の屋

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7月のオンライン句会

今月のオンライン句会投句の講評

No1ブロック

熱帯夜冷たき場所を探る足

夏の寝苦しい様子がユーモアがあって面白いですね。この頃はやりの触ると清涼感があるというタオルケットかシーツでしょうか?楽しいですね。

No2ブロック

寝返りをうって目覚めし熱帯夜

まさに猛暑の寝苦しい夜ですね。上手く纏まっています。

 

No3ブロック

エアコンのタイマー切れて目が覚めて

タイマーがいつの間にか切れているのは当たり前だけれど、寝付かれずにふと目が覚める猛暑の夜そのものですね。

 

No4ブロック

風鈴も猫も動かぬ軒の下

微動だにしない風のない軒下、猫までじっとうずくまっている様子が何だか炬燵のようで猛暑ですが懐かしい感じがします。

 

No5ブロック

「ひと夏の恋」という名の冷酒飲み

冷酒は後から効くというので、何となくロマンを感じて素敵な俳句です。

 

<総評>

今月は、あまりの猛暑の為か投句数が少なく残念です。8・19俳句記念日の方に取られてしまったのかも知れません。毎月投句や選句を続けると、自然に俳句が身に着き日本語の575のリズムが自然に沸き上がってきますので、是非、オンライン句会に投句&選句を続けて下さい。投句、お待ちしております。

 

7月の投句一覧

熱帯夜まさか赤道は動かない
熱帯夜冷たき場所を探る足
寝入りばな麻の手触り熱帯夜

寝返りでさえ煩わしい熱帯夜
寝返りをうって目覚めし熱帯夜
熱帯夜解けぬ問いが駆けめぐり

ラジオから意外な懐メロ熱帯夜
エアコンのタイマー切れて目が覚めて
熱帯夜ハッカ油の母の知恵

目薬が涙を誘う熱帯夜
風鈴も猫も動かぬ軒の下
熱帯夜吾子の寝姿目がまわり

昼並みの製氷機鳴る熱帯夜
「ひと夏の恋」という名の冷酒飲み
熱帯夜祖母の思い出高地の屋

(7月末〆切り分)
6月の点盛りの結果


2点句

手のひねり返して進む風の盆
南風雨雲払いのけて晴れ

1点句

小糠雨水面を走るあめんぼう
南風ライブ帰りの街更ける
大南風残した空に乱れ雲
黒南風を言い訳にして引きこもり
ガラス瓶弾けて跳ねる水中花
スカートの裾を撫でゆく南風
海水の冷たき朝の南風

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