
3月の兼題「春の海」
冬の間、波の荒かった海も、春になると穏やかな波が寄せては返すようになる。
長閑な海を想像するが、近代俳句では想像外の激しさを詠うこともある。ことに東日本大震災以降は俳句としても、穏やかで長閑な海ばかりではないようです。
傍題「春の浜」「春の渚」「春の磯」「春の岬」

3月の兼題「春の海」
冬の間、波の荒かった海も、春になると穏やかな波が寄せては返すようになる。
長閑な海を想像するが、近代俳句では想像外の激しさを詠うこともある。ことに東日本大震災以降は俳句としても、穏やかで長閑な海ばかりではないようです。
傍題「春の浜」「春の渚」「春の磯」「春の岬」

2月の兼題「淡雪」
春の雪は、冬の雪と違って解けやすく、降るそばから消えて積もることが無いので淡雪という。雪とは言え晴れやかな感じである。
傍題としては、「春の雪」「牡丹雪」「春雪」「沫雪」など。

1月の兼題「初景色」
元日に眺める晴れ晴れとした景色のことをいいます。
また、風光明媚なすぐれた景色ばかりでなく、ありふれた田舎の田んぼ道や見慣れた街並みもお正月になると目出度く感じられることをいいます。
傍題には、「初山河」

お節料理まずは三つ肴(みつざかな)
【数の子】子宝に恵まれ、子孫繁栄。ニシンの子なので「二親健在」にも通じる。[新年]
数の子を祝の肴歳を増す・・・・・上野貴子
【田作り】イワシが畑の肥料だったことから「田作り」「五万米」(ごまめ)と呼ばれ、豊作祈願の料理。また、小さくても尾頭付き。[新年]
田作りの頭小さく愛らしく・・・・・上野貴子
【黒豆】まめに(勤勉に)働き、まめに(丈夫で元気に)暮らせるように。
一つ一つ黒豆の粒を取る・・・・・上野貴子
【たたきごぼう】ごぼうのように根を深く張り代々続く。たたいて身を開き開運を願う。(関西では黒豆ではなくこちらが多い)
地に深く辛抱強したたき牛蒡・・・・・上野貴子
三つ肴の他、お正月ならではのおめでたい料理が入ります。
【紅白かまぼこ】半円形は日の出(年神様)を表す。おめでたい紅白で、紅は魔除けの意味があり、白は清浄を表す。
紅白の蒲鉾に日の出を拝む・・・・・上野貴子
【伊達巻】昔の伊達者(シャレ者)たちの着物に似ていたので伊達巻と呼ばれるようになったといわれる。「伊達」とは華やかという意味がある。巻き物が書物や掛軸に通じることから知識や文化の発達を願う。
掛け軸を見立て伊達巻卵焼く・・・・・上野貴子
【昆布巻】「喜ぶ」にかけて
喜びの笑顔が笑顔呼ぶ昆布巻・・・・・上野貴子
【栗きんとん】栗は「勝ち栗」と呼ばれる縁起もの。「金団」と書き、黄金色で縁起がよく蓄財につながる
甘くとも財よ貯まれと栗金団・・・・・上野貴子
【ちょろぎ】「長老喜」「千世呂木」と書き、長寿を願う[新年]
長老喜添えいつの間にやら五十路なる・・・・・上野貴子
【錦玉子】黄身と白身の2色が金と銀にたとえられる。2色を錦と語呂合わせしているとも。
金と銀仲良く錦卵なす・・・・・上野貴子
三つ肴イメージ
おせち料理イメージ
弐の重
【焼き物】縁起のいい海の幸が中心です。
焼き物を目出度く伊万里の皿に盛る・・・・・上野貴子
【ぶり】ぶりは大きさによって名前が変わる出世魚。ぶりで立身出世を願う。
照り焼の鰤の大小出世魚・・・・・上野貴子
【鯛】「めでたい」にかけて。姿もよく味もよい鯛は、江戸時代から「人は武士、柱は檜(ひ)の木、魚は鯛」といわれ、めでたい魚として祝膳には欠かせないもの。
目出度さに微かな不安鯛に消し・・・・・上野貴子
【海老】腰が曲がるまで長生きできるように。
髭長く縁起を担ぎ海老雑煮・・・・・上野貴子
海産物のイメージ
参の重
【煮物】山の幸を中心に、家族が仲良く結ばれるよう煮しめます。
煮しめさえあればお節のありがたき・・・・・上野貴子
【れんこん】穴があいていることから、将来の見通しがきくように
蓮根の苦み煮て取り先が見え・・・・・上野貴子
【里芋・八つ頭】頭となって出世をするように、子芋がたくさんつくので子孫繁栄
里芋を入れて雑煮の汁旨し・・・・・上野貴子
【くわい】大きな芽が出て「めでたい」、子球がたくさんつくので子孫繁栄
目出度いとくわいの煮方教えられ・・・・・上野貴子
【ごぼう】根を深く張り代々続く
泥払い桶には長き牛蒡の根
煮物イメージ
与の重
【酢の物・和えもの】忌み数字の「四」は使わず、「与の重」とします。日持ちのする酢の物などを詰めます。 三段重の場合は、酢の物も焼き物などと一緒に、彩りよく詰めるとよいでしょう。
【紅白なます】紅白でめでたく、祝いの水引にも通じる。根菜のように根を張るように
人参と大根で紅白膾・・・・・上野貴子
【菊花かぶ】菊は邪気を祓いと不老長寿の象徴。
唐辛子赤く蕊なし菊花かぶ・・・・・上野貴子
【小肌粟漬け】小肌はコノシロという魚の成魚になる前の名前。出世魚で縁起がよい。クチナシで黄色く染めた粟で、五穀豊穣を願う。
粟で絞め小肌肴に祝酒・・・・・上野貴子
五の重【控えの重】
年神様から授かった福を詰める場所として空っぽにしておくか、家族の好物や予備の料理などを入れます。
今のように冷蔵庫がなかった時代、本来のおせち料理は、保存がきくお料理がほとんどです。日持ちがするという理由以外にも、年神様に静かに過ごしていただくため、台所で騒がしくしないという心配りも含まれていました。また、かまどの神様に休んでいただくためや、神聖な火を使うのを慎むためともいわれています。そして、年末年始、多忙な女性が少しでも休めるようにという配慮もあったかも知れません。
現代のおせちは、家族の好みのものを中心に、洋風や中華風の料理が入ったり、サラダのような生野菜が加わったりと、とても多彩になりましたが、先人のこうした知恵と心を大切にしながら、素敵な正月を迎えたいものです。
おせち料理をいただくとき、ぜひ使っていただきたいのが「祝い箸」です。


大晦日
十二月の末日。月の末日の意味で、一年の終わりであるため、大の字を添えて大晦日、大つごもりという。この日に晦日蕎麦を食べる風習があり年越し蕎麦といいます。
新暦でも旧暦でもいずれにも用いられ、晦日もつごもりも月の末日の意味。月隠(つきごもり)の変化したものといわれる。
傍題には「大三十日」「大年」「大つごもり」など。
12月の兼題「霰・あられ」
雪の結晶に水滴が付いて凍り、白い不透明の氷の塊になって地上に降るもの。玉霰は霰の美称。
直径5ミリメートル未満のものを霰というが、古くは雹(ひょう)をも含めていう。
また、ほしいいなどの細かく切った餅を乾燥したもので茶漬けや香煎に使うもので、ぶぶあられと言われるものや霰餅などのおかきもある。
他には、霰絣などという織物または染物の文様の名でもある。
傍題には、「玉霰」「夕霰」「初霰」など俳句では自然現象のことをいう。

【七五三】
早くも十一月です。十一月になるとすぐに立冬がきます。2022年の今年は11月7日が立冬となります。暦の上とはいえ早くも冬が来るのですね。秋が来たかと思えば、もうすぐ冬なんですね。何だか寂しいような気がしますが暦は待ってはくれないものですが、果たして今年は寒い冬でしょうかどうなのでしょう。温暖化は進み海流の変化が気になりますが、それでも冬は以外に厳しくなるかも知れません。日本海側では雪が多く関東では例年並みかやや寒いのではないかという気象庁の予想ですが、いったいどうなるのか想像できないようです。
秋の心地良い爽やかな気候から寒くなると、今年は厳しい冬が来るのかもしれないと考えますが、どうも解らない気候の変動が問題になっていますね。そんな2022年にも十一月ともなれば、毎年「七五三」があります。
11月15日を目安にお祝いしていますが、その齢のお子さんがいるお宅では、一生に一度きりの大切な行事です。まだまだコロナ禍ではありますが、たとえ自粛体制であろうとお祝いはお祝いとして掛け替えのないものです。やはりこうした行事はその意味を正しく理解して何時までの伝えて行きたいですね。そこで少し解りやすくまとめてご紹介しますね。
三歳の祝い「髪置」
男女を問わず三歳の成長を祝う行事。
赤子の髪は剃るものだったが三歳になると髪を伸ばして整える。
五歳の祝い「袴着」
男子の儀式。初めて袴を着ることを祝う行事。
七歳の祝い「帯解」
女子の儀式。付け帯から初めて大人の帯を付けることを祝う行事。
当たり前のように慣習として認識しているつもりでいますが、意外に忘れている古風な行事です。現代は少子化が問題視されていますが、昔は子供から大人へ成長するまでに沢山の試練があったんですね。医学が進歩した現代でも命を授かり大人として成長することはそれだけでまるで奇跡です。
可愛らしい七五三のお祝いの姿をしている子供連れの家族を見ると、忙しく生きる現代の人間でも、やはりお祝いしたくなる目出度い行事です。
11月の兼題「餅」
餅は正月用に多く用いられて、お正月に食べるために搗くので新年の前に行われるとして冬の季語になっています。「年用意」などと同じですね。
ちょうど11月になると徐々にお正月の準備をし始めたのが昔の人の生活でした。今ではクリスマスや年末商戦が賑やかで、まだまだお正月の準備には早いものですが、お餅そのものは一年中ありますね。
また、新米が出回る頃ですので、もち米にも美味しい新米が出来るのだと思います。
お餅と言えば「餅搗」がやはり一番すぐに思い出されますが、各家庭で食べる餅は、家で搗く場合と賃餅(ちんもち)といって餅屋や米屋に注文して搗いてもらう場合がありました。かつては道具を担いで市を回り、餅搗唄に合わせて餅を搗く稼業があったといいます。現代では、電気の餅搗き機が多くなりました。
田舎でも杵と臼で餅搗をする姿はほとんど見かけなくなりましたね。
傍題には「餅搗」「餅米洗ふ」「餅搗唄」「賃餅」「餅筵」「餅配」なと。
10月の兼題「菊」
菊の原産は中国大陸。日本には奈良時代以降に渡来、江戸時代に改良が進み、四君子の一つとされています。四君子(しくんし)とは、蘭、竹、菊、梅の4種を、草木の中の君子として称えた言葉。
菊は、品種が非常に多く、花色は白、黄、桃、紅など様々です。園芸上は大菊、中菊、小菊に分かれて、花の形状により管物(くだもの)、厚物、平物などに分けられます。その系統として、嵯峨菊、伊勢菊、肥後菊、美濃菊、江戸菊、奥州菊などがあります。また、花を食用とする品種もあります。鑑賞用として世界中で栽培されています。
俳句では、春の桜と並び称されている日本の代表的な花です。菊の花には延命長寿の滋液が含まれるという伝説があり、平安時代の宮廷では菊酒を賜る行事が行われたといいます。これが9月9日の重陽の節句です。
江戸時代以降は園芸用の多彩な品種が栽培されるようになるので、庶民にも人気が高まり菊花展などで競われています。明治以降には重陽の菊祭りに変わって菊人形などの飾りを競う行事が盛んになりました。
傍題には、「重九」「菊の節句」「菊の日」「今日の菊」「菊酒」「菊の宴」「重陽の宴」など。

秋のお彼岸を過ぎるとやっと残暑がおさまりますが、この頃の猛暑では、まだまだ気温がいつ上昇するのか何だか不安なままで10月を迎えました。
こんなに先の見通しがつかない不透明な時代はコロナ禍だからに違いありませんが、今度こそ少しでも早く終焉収束が来てほしいです。
そんなこんなでバタバタといつの間にか10月ですが、この時期には毎年月が美しく、お月見が楽しみです。夜空の月を見ながら一献なんて粋な夜を過ごしたいものですが、2022年の十五夜様は以外に早く9月中に過ぎてしまいましたね。
それでも10月には十三夜が待ち構えています。今年は10月8日の土曜日がその日に当たります。十三夜は「栗名月」や「豆名月」と呼ばれています。十五夜と同じようにススキやお団子をお供えしますが、旬の栗や豆をお供えするところから「栗名月」「豆名月」と呼ばれ、十三夜というと十五夜の後の月見として、秋の美しい月とされています。十三夜というくらいなので、十五夜の満月になる少し前の欠けた月の微妙な形がまた日本人の風情を掻き立てるようです。
この十三夜には、やはりお月見団子が欠かせませんが、十三夜と言いますからお団子も十三個が縁起がいいらしいです。そして秋の七草を飾ります。代表的な草花が芒ですね。これは十五夜とまったく同じです。勿論、その時に咲いている七草を一緒にかがるとさらに素敵ですね。
秋の七草は、都会ではなかなか見かけません。自然に摘んで飾ることは難しいので現代では魔除けにもなる芒が一番だということなのでしょう。
秋の七草は山上憶良の和歌が有名ですね。「秋の野に咲きたる花を指(および)折り かき数(かぞ)ふれば七種(ななくさ)の花」という和歌と「萩の花尾花(おばな)葛花(くずばな)なでしこの花女郎花(おみなえし)また藤袴朝貌(あさがお)の花」という二首があります。こうしてみると秋の七草を鑑賞する習わしは、平安時代の頃からあったのです。その頃の朝顔とは今の桔梗だと言われています。
また、萩の花は、平安の万葉集の時代には最も多く詠まれていた秋の七草のようです。山上憶良の和歌にもありますが、最後に七草を七種類上げておきます。
萩の花、尾花、葛花、撫子の花、女郎花、藤袴、朝顔。
萩の花地より生え出て地に引かれ・・・上野貴子





