今月のオンライン句会投句の講評
里帰り道なき道に赤まんま
田舎の道は時々草が生い茂り歩きづらいことなどありますね。久しぶりの里帰りだったのでしょうか。赤まんまが茂みに咲いていて秋の情緒を感じた作者の哀愁が感じられます。
母の踏むミシンなつかし曼珠沙華
お彼岸の母の思い出の句のようでもありますが、古いミシンを見つけて懐かしんで詠んだのか、どちらにも読み取れますが、若いころのお母さんの手作りの可愛い洋服が目に浮かぶ心暖まるいい俳句です。
夕暮れを紫苑はじつと待つこころ
秋の小さな野に咲く紫の紫苑が、どこか儚げで夕暮れの似合う情緒のある感じを詠まれたのでしょう。待っているのは紫苑か作者か。あまりにも強い日差しを避けたい花の擬人化なのかも知れませんね。
静けさと波の輝き秋の海
秋は淋しい浜辺の俳句です。夏の賑わいが去った後の海の静かさに波がキラキラと輝いている。賑やかな時には気が付かなかった波の輝きがひときわ目立つ秋の海は美しいですね。ストレートな表現が新鮮に感じる俳句です。
夕映えにすすきの喋るそそそそそ
すすきが夕映えに輝いている光景ですね。芒は葉が鋭く剃刀のように肌を切ることがあるので、儚げですが鋭く怖い剣のような草花ですね。そんな葉っぱのそそそそそという擦れるような音が面白い俳句です。下五の擬音化がどこか楽し気で明るい俳句ですね。
<総評>
秋の句会ですが、まだまだ残暑が厳しいせいか、どこか明るい句が多く感じました。夏の疲れがひしひしと伝わるような句が多いよりもポジティブで楽しい方が元気になりますね。そろそろ秋らしくなるといいのですが、せめて俳句で秋の情緒を楽しみましょう。
8月の点盛りの結果
※夏休みで点盛りの結果はお休みです。
9月の投句一覧
里帰り道なき道に赤まんま
静けさと波の輝き秋の海
秋茄子や藍色深し旨み出す
幼な子の握る銀シャリ今年米
初鰹炙って叩く旨みなり
紫苑咲く潮の満ち欠け松越えて
ふと風に問えば気が付く花紫苑
あの空き地紫苑の空き地工事中
野に山に空の青より紫苑咲く
紫苑咲く坂を登れば私鉄駅
紫苑香るところへ匂い来る夕餉
紫苑咲く色校正の後の色
夕暮れを紫苑はじつと待つこころ
朝焼けの入り来る刻の赤き部屋
油絵の雲むくむくと今朝の秋
芋煮会濃口しょうゆにも慣れて
母の踏むミシンなつかし曼珠沙華
鰯雲でっかい声の漁師町
夕映えにすすきの喋るそそそそそ
次回の投句&選句ご案内リンクなど
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