今月のオンライン句会投句の講評
No1ブロック
4の句 着ぶくれて北ウィングの朝7時
旅行の句ですね。今年は規制のない久しぶりの冬で、海外に行かれたのでしょうか?素敵な句ですね。
No2ブロック
5の句 隠すこと何もなき町霙降る
雪が混じったような雨の事を霙(みぞれ)と言いますが、シャーペットのような透明感が雪の白さよりもさらに隠し事の無いという感覚でとらえていて面白いですね。
No3ブロック
1の句 着ぶくれの所狭しと中華屋に
狭いラーメン屋さんでしょうか。カウンター席しかない店にならんで待って着ぶくれたまま急いで啜る混むように食べる音が聞こえるようで楽しい句です。
No4ブロック
1の句 義士の日の体育倉庫に太鼓一つ
太鼓が古風な仇討ちを思わせます。倉庫にしまい込まれた古い太鼓でしょう。何だか時代が移り行く切なさを感じます。
No5ブロック
4の句 義士の日のポストに喪中葉書あり
「義士の日」という赤穂浪士の仇討ちを意味する季語にちょうど来た喪中の葉書の名前を見て驚く作者の姿が浮かぶ時代の流れを感じる素晴らしい句です。
<総評>
今回の句会はお題「霰」以外に月末定例句会メンバーの参加が加わり、季語の勉強になる句が多かったです。東京では、なかなか霰に出くわさないのでちょうどよかったです。12月は「義士の日」があることふと思い出すと人の世の刹那を感じます。現代ではコロナ禍の厳しさが重なりますが、忠義心を敬う気持ちを改めて考えさせられますね。 (1月5日)
12月の投句一覧
着膨れて都下喧騒の街を行く
おやつには 切腹最中 義士の日や
義士の日や俳句嗜(たしなむ)赤穂の士
着ぶくれて北ウィングの朝7時
垂れ目の子そっと霰に指触るる
初霰ハンドル握る指に落ち
着ぶくれの寝屋朝刊の音届く
義士の日に ケンカの仲裁 町内会
着ぶくれて身うごき鈍し試着室
帰国便着ぶくれのまま鼾(いびき)かき
隠すこと何もなき町霙降る
黄昏る門に一粒玉霰
着ぶくれの所狭しと中華屋に
義士の日は 仲直りして 鍋囲む
稜線や夕陽に染まる山眠る
着ぶくれのチワワ主人の腕の中
初霙ポップソングの湿りたる
結晶の花に涙の初霰
義士の日の体育倉庫に太鼓一つ
着ぶくれて 満員電車が さらに密
雲追いて芝に寝そべり冬の空
義士の日に百均で買う重曹粉
粗茶を汲み霙さなかをほっとする
児のひとりまぶたに落ちる玉霰
義士の日を生きる歴史の末端に
グラウンドの 部員着ぶくれ 朝練習
カサッカサッ落ち葉踏む音並木道
義士の日のポストに喪中葉書あり
みぞれの夜あすが来ること知つており
霰降る色無き町の交差点
2点句
草餅の黄粉気遣うお茶タイム
髪切って母を訪ねる小春空
1点句
店先に餅が出始め齢数え
天高し朝のテラスで深呼吸
面焦げ絵に描くような餅出来ぬ
餅肌のマスクのうざくコロナ時代
駅前のマルシェも仕舞い月の舟
蓬餅ずんぐり聳え皿に座す
お煎餅後ひく老舗の秘伝技
夜歩く片割れ月は雲隠れ
癒しこそ餅の持ち味きなこ餅
餅焼けば焦げも香ばし網模様
鏡餅かち割る幸を分け合って
次回の投句&選句ご案内リンクなど
オンライン句会LP画面はこちらから https://onlinekukai.jimdofree.com/?preview_sid=573194
